猫又とは?二本の尾を持つ日本の妖怪の伝説と特徴
以前化け猫の話をご紹介しましたが(鍋島の化け猫騒動)、猫又というものをご存じでしょうか。意外と混合してしまいますが、実は全く異なります。
今回は猫又をご紹介します。後ほど猫又と化け猫の違いもご案内しますね。
猫又とは?
猫又(ねこまた)は、日本の妖怪の一種で、長く生きた猫が変化して妖怪になるとされています。猫又は二本の尾を持ち、人間の言葉を理解し、時には人間に化ける能力を持つと伝えられています。
伝説と起源
猫又の伝説は、日本各地に存在します。特に江戸時代には、多くの書物に猫又の記述が見られ、庶民の間で恐れられていました。

- 山の猫又:山奥に住む巨大な猫又が旅人を襲うとされる伝説。
- 家猫の猫又:長生きした飼い猫が変化し、主人に恩を返すこともあれば、復讐することもある。
起源にはさまざまな説がありますが、猫が長く生きると不思議な力を持つという信仰が背景にあると考えられています。
代表的な民話:信州(長野県)の猫又伝説

長野県には、「長生きした猫が妖怪になる」という猫又伝説が伝えられています。
ある農家の家で飼われていた猫が、何十年も生き続けた後、突然姿を消しました。その後、夜になると家の周りで不思議な音がしたり、人影のようなものが見えたりするようになりました。村人たちは「飼い猫が猫又になったのではないか」と恐れ、供物を供えたり、お祓いを行ったと言われています。
特徴と能力
- 二本の尾:長寿の猫が妖怪になると尾が二つに分かれる。
- 人語を話す:人間の言葉を理解し、会話することができる。
- 人に化ける:人間の姿に変化し、普通の人間のように振る舞うことができる。
- 妖術を操る:火を使う術や、人を惑わす力を持つとされる。
現代文化における猫又
猫又は現代のアニメや漫画にも多く登場し、日本のポップカルチャーにおいても重要な役割を果たしています。

猫又は、猫好きな人にとっても興味深い妖怪であり、日本ならではの可愛さ、怖さを兼ね備えた妖怪ですね。
猫又と化け猫の違い
猫又と化け猫の特徴を解りやすくまとめてみました。
特徴 | 猫又 | 化け猫 |
---|---|---|
尾の特徴 | 二本に分かれる | 一本のまま |
発生条件 | 長寿の猫が妖怪化 | 特定の条件で妖怪化 |
能力 | 言葉を話す、火を操る、人に化ける | 人に化ける、呪いをかける |
性質 | 良い猫又もいれば悪い猫又もいる | 復讐や呪いを行うことが多い |
代表的な伝承 | 山の猫又、家猫の猫又 | 鍋島の化け猫、怪談化け猫騒動 |
結 論
猫又と化け猫はどちらも猫の妖怪ですが、猫又は長寿の猫が進化した存在であり、化け猫は普通の猫が特定の条件で妖怪化したものと考えられます。
化け猫はどちらかというと「復讐の妖怪」としての側面が強く、猫又はより神秘的な存在として描かれることが多い印象ですね。