江戸の七不思議とは?本所七不思議を含む江戸怪談を徹底解説!

江戸時代には、人々の間で語り継がれた 「七不思議」 という怪異が存在しました。夜ごと天井から足が降りてくる 「足洗屋敷」、ひとりでに響く 「送り拍子木」、秋になっても葉が落ちない 「落ち葉なしの椎」 など、まるで妖怪の仕業のような不思議な現象が、庶民の間で恐れられていたのです。

これらの怪異は江戸時代の随筆や怪談集に記録され、時代を超えて語り継がれてきました。

本記事では、そんな江戸の七不思議について詳しく解説し、それぞれの逸話の背景や歴史的な記録にも触れていきます。

果たして、これらの怪異はただの噂だったのか、それとも本当に江戸の町で起こっていたのか? さあ、不思議と怪異に満ちた江戸の世界へ足を踏み入れてみましょう。

「江戸の七不思議」 には複数の異なる伝承がありますが、代表的なものとして江戸時代の随筆や怪談集に記録されたものを基に紹介します。これらの怪異は江戸庶民の間で広まり、現在も怪談や都市伝説として語り継がれています。

足洗屋敷(あしあらいやしき)

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  • 概要:本所(現在の東京都墨田区)にあったとされる怪異。夜になると突然天井から巨大な足が現れ、「足を洗え!」と命じてくる。恐る恐る足を洗うと消えるが、拒むと祟りがあるとも言われる。
  • 出典:『江戸砂子』(江戸時代の地誌)、『耳袋』(根岸鎮衛)

送り拍子木(おくりびょうしぎ)

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  • 概要:夜道を歩いていると、背後から「カン、カン」と拍子木の音が聞こえる。しかし、振り向くと誰もいない。音は家の中にまで追いかけてくることもあり、恐れられた。
  • 出典:『江戸怪談集』、『耳袋』

片葉の葦(かたはのあし)

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  • 概要:隅田川沿いに生えていたとされる不思議な葦(アシ)。通常、葦は対になって葉をつけるが、ここに生えるものは片方の葉しかない。この異常な葦は「水死者の魂が宿る」などと信じられた。
  • 出典:『江戸名所図会』(江戸の名所案内書)

幽霊燈籠(ゆうれいとうろう)

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  • 概要:本所の回向院(現・東京都墨田区)にあったとされる灯籠。夜になると灯籠に人の顔が浮かび上がったり、火が灯ったりしたという。中には幽霊が映ることもあると噂された。
  • 出典:『江戸奇談』、『耳袋』

消えずの行灯(きえずのあんどん)

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  • 概要:江戸のある家では、行灯の火を消しても翌朝になればまた灯っていたという。この行灯は何度消しても再び灯るため、「死人が戻ってくるのでは」と恐れられた。
  • 出典:『甲子夜話』(松浦静山による随筆)

落ち葉なしの椎(おちばなしのしい)

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  • 概要:江戸のある寺に生えていた椎の木は、季節が変わっても葉が落ちなかったと伝えられる。「この木の下で死んだ者の霊が宿る」などの噂があり、人々が避けた。
  • 出典:『江戸名所図会』

送り提灯(おくりちょうちん)

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  • 概要:夜道を歩いていると、前方に提灯の灯りが見え、道を照らしてくれるように思える。しかし、追いつこうとすると、提灯はふっと消えたり、遠ざかったりするという怪異。
  • 出典:『耳袋』、『江戸怪談集』

補足:江戸時代の七不思議伝説

  • 江戸には「七不思議」のバリエーションがいくつか存在し、時代や地域によって異なる伝承がある。
  • これらの話の多くは、根岸鎮衛(ねぎしやすもり)の随筆『耳袋(みみぶくろ)』や、松浦静山の『甲子夜話(かっしやわ)』といった江戸時代の随筆集に記録されている。
  • 『江戸名所図会』(江戸の名所を紹介した地誌)にも、一部の怪異が言及されている。

まとめ

江戸時代に語り継がれた 「江戸の七不思議」 は、単なる怪談ではなく、当時の人々の信仰や生活習慣、そして未知への畏怖が反映された文化の一部でした。

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「足洗屋敷」「送り拍子木」 のような怪異は、庶民の間で広まり、江戸の風物詩として定着しました。また、「片葉の葦」「落ち葉なしの椎」 などの自然現象を不思議と結びつける感性は、江戸時代の人々が持っていた独特の世界観を示しています。

これらの逸話は、江戸時代の随筆や怪談集に記録され、現代にも伝わっています。当時の人々がどのように日々の出来事を解釈し、語り継いできたのかを知ることで、私たちは日本の歴史や文化をより深く理解できるでしょう。

七不思議の怪異は、本当にあったことなのか、それとも人々の想像が生み出したものなのか——それは今も謎のまま。しかし、こうした伝承が現代に語り継がれていること自体が、江戸の不思議な魅力を物語っています。

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