大天使サリエルとは?神の命令と記録を司る月の天使の正体に迫る【天使シリーズ第5回】
1. サリエルとは誰か?
サリエル(Sariel)は、名前の意味を「神の命令(Command of God)」または「神の命(Prince of God)」とされる天使です。
正典聖書には登場しないものの、『エノク書』や『ヨベル書』などの外典・偽典文献においては、重要な役割を担う存在として頻繁に登場します。
古代ユダヤ教の伝承では、ミカエルやラファエル、ガブリエル、ウリエルらとともに「七大天使」の一柱として数えられています。
2. サリエルの役割とエピソード
📘 『エノク書』における登場
『エノク書』においてサリエルは、**「堕天使の監視者」**として記されています。堕落した天使たちと人間の罪を記録し、それを神の前に報告する役目を担っていました。
また、ある記述では、死すべき人間たちの魂の行方や夢の意味を見届ける者、審判の書記官としての役割も与えられており、その冷静さと厳しさは、まさに神の秩序の代行者といえるでしょう。
3. サリエルの象徴と役割
サリエルは他の天使たちと比べて、やや内省的で神秘的な象徴を持ちます。

- 記録と観察の天使(書物、羽根ペン)
- 月・夢・死の導き手としての側面も
- 秩序と真理の保持者
- 静かな裁きの担い手
冷徹な審判というよりも、神の公正さと忍耐深さを表現する存在として描かれることもあり、厳しさの中にも思いやりを持つ天使とされます。
4. 現代におけるサリエルの信仰
スピリチュアルな領域では、サリエルは「内なる真実を見つめ直す」ための導き手として注目されることがあります。とくに次のようなときに信仰の対象となります。
- 自分の罪や過ちと向き合いたいとき
- 過去を清算したいとき
- 審判やカルマの意味に気づきたいとき
- 夢や直感の意味を理解したいとき
また、**「月の天使」**として、女性性・無意識・眠りといった領域にもつながりを持つとされ、深い精神の静けさをもたらす存在としても知られています。
5. 芸術と文化におけるサリエル
サリエルの姿は、ミカエルのような武器を持つ戦士型ではなく、書記官や月の巫者のようなビジュアルで描かれることが多いです。
黒や銀、深い紫を基調とした衣装、星空や月夜を背景に、書物と羽根ペンを携え、静かに佇むその姿は、観る者に厳しさと静謐な美しさを印象づけます。
6. まとめ:記録と審判の沈黙の天使、サリエル
サリエルは声高に語らず、ただ黙って見つめ、記録し、必要なときに真実を突きつける天使です。
その存在は、まるで月のように、夜の深みの中で人々の影を照らし出します。
もしあなたが、自分自身の内側を見つめ直したいと願っているのなら、サリエルはあなたの傍にそっと立ってくれているかもしれません。