大天使ラグエルとは?神の秩序と正義を司る天の調停者を解説【天使シリーズ第6回】
1. ラグエルとは誰か?
ラグエル(Raguel)は、名前の意味を「神の友(Friend of God)」とする天使であり、天界の秩序と調和を司る存在です。
ラファエルやウリエル、サリエルと並び、『エノク書』などに登場する「七大天使(セブン・アークエンジェルズ)」の一柱とされています。
聖書の正典には登場しませんが、古代ユダヤ教の伝統や神秘主義的な文献の中では、天使たちの裁判官や神の正義の代弁者として描かれています。
2. 『エノク書』におけるラグエルの役割
ラグエルは、『エノク書』においては「他の天使たちに対して神の罰を執行する」役割を与えられています。
特に堕落した天使(グリゴリ)たちへの裁きを担当し、神の法に背いた存在を正す者として記述されています。
このことから、ラグエルは単なる「罰する者」ではなく、神の意志と天界の秩序を守る調停者として、静かに、しかし確固たる意志をもって行動する存在と見なされています。
3. ラグエルの象徴と役割
ラグエルは次のような象徴と役割を担っています:

- 正義と秩序の守護者
- 天使間の調和を保つ司法官的存在
- 神の律法を代行し、誤りを正す者
- 調和・誠実・公平さを象徴する天使
「正義の秤」や「光の巻物」、あるいは「天の法典」を携えて描かれ、他の天使たちを導く役割を果たします。
4. 現代におけるラグエルの信仰
ラグエルは、スピリチュアルな領域では次のような場面で祈りの対象となります:
- 不正を正したいとき
- 人間関係の調和を願うとき
- 内面のバランスを取り戻したいとき
- 裁判やトラブルの最中で、正義の力を求めたいとき
また、誠実な心を保ち、他人と健やかな関係を築くための“心の調停者”として、静かに支えてくれる存在として人気があります。
5. 芸術と文化におけるラグエル
ラグエルは芸術作品では他の戦士的天使とは異なり、優雅で神官的な姿として描かれることが多いです。
その服装は白や青、金を基調とした聖職者風で、天秤や光る法典、あるいは正義の光を象徴する幾何学的文様が背景に描かれます。
現代創作においては「冷静沈着な補佐役」「公平な審判者」として、物語のバランスを保つ存在として登場することもあります。
6. まとめ:静かに天の正義を行うラグエル
ラグエルは表舞台に立って戦う存在ではなく、見えざる秩序と真理を守る、寡黙な天使です。
そのまなざしは常に公平で、どんな混沌の中にも、正しき光を見出そうとします。
もしあなたが、不正に傷つき、何かを正したいと願うなら。
ラグエルにそっと心を向けてみてください。あなたの中の「まっすぐさ」を、きっと後押ししてくれるでしょう。