『タブレット1: ギルガメシュの紹介とエンキドゥの創造』ギルガメシュ叙事詩を現代風のイラストでシンプルに読む！

はるか昔、栄光に輝くウルクの街には、一人の王が君臨していた。

その名はギルガメシュ。神と人の血を引き、並ぶ者なき強大な力を持つ者。

だが、その力は民を守るためではなく、圧政へと向けられた。

ギルガメシュは、その力を誇示するように、民を苦しめ、己の欲望を満たしていた。

ウルクの壮麗な壁の内側で、彼の命令は絶対であり、誰も逆らうことはできなかった。民は彼を恐れ、遠巻きにしながらもその姿に畏敬の念を抱く。

しかし、神々は見ていた。
彼の傲慢、彼の暴政を。天上の会議の中で、神々は一つの決断を下した…

天上の高み、神々の住まう領域において、会議が開かれた。

そこに集まったのは、嵐を司るエンリル、愛と戦の女神イシュタル、そして太陽神シャマシュ。その顔には、ウルクの王、ギルガメシュの暴政に対する憂いが浮かんでいた。

エンリルが語る。
『彼の力はすでに限界を超えている。人々の嘆きが我々に届いているのだ。』

イシュタルが鋭い目で言う。
『彼の高慢さを許すことはできない。』

そして、シャマシュが静かに光を放ちながら告げた。
『我々は、彼に対する試練を与えなければならない。』

こうして、神々の計画は動き出した。
ギルガメシュに匹敵する存在を、この地上に送り出す決断が下されたのだ。

神々の決断により、一人の男が大地に創造された。

その名はエンキドゥ。彼は自然の力そのもの。

髪は風のように乱れ、強靭な肉体は野生に満ち溢れている。
彼の肌は太陽に焼かれ、動物たちと共に大地を駆け巡る。

鹿やライオン、あらゆる生き物たちは彼を恐れることなく、彼と共に過ごしていた。エンキドゥは人間でありながら、自然そのものと一体となり、力強くも穏やかな日々を過ごしていたのだ。

だが、この静寂は長くは続かなかった…彼の運命は、やがてウルクの王、ギルガメシュへと繋がっていく。

大自然の中で、エンキドゥは動物たちと共に自由に動き回っていた。彼の姿は、まるで大地そのものの力が具現化したかのようであった。だが、その時、一人のハンターがエンキドゥの存在を目にする。

ハンターは茂みの中から、エンキドゥの動きを凝視した。

その野生的でありながらも人間離れした姿に、彼は言葉を失った。

動物たちはエンキドゥを恐れることなく共に歩んでいる。

エンキドゥはただの人間ではない。その力と自然との調和に、ハンターは震え上がった。

『彼をどうするべきか…？』

ハンターの心は動揺しながらも、この存在がただならぬ運命を背負っていることを感じ取っていた。