クリストキント-ヨーロッパの国々で知られるプレゼントを配る天使
クリスマスといえばサンタクロースだけど、クリストキントって伝説がヨーロッパにはあるよね。確かプレゼントを配ってくれる天使の話し。
そうですね!ヨーロッパ、特にドイツやオーストリアなどの地域では、クリスマスに贈り物を届ける存在として、サンタクロースではなくクリストキント(Christkind)が登場するという伝説が伝わっています。
サンタとの違いは後で見てみるとして、クリストキントの話をさらっと紹介しよう(*‘∀‘)
クリストキントの伝説
むかしむかし、寒い冬の夜、クリスマスが近づくと、子どもたちは家の中でクリスマスの準備をしていました。街中はお祝いムードに包まれ、クリスマスマーケットでは多くの人々が集まり、暖かな光が輝いていました。
その夜、子どもたちが眠りについた頃、光り輝く天使のような姿をしたクリストキントが、空からそっと舞い降りました。彼は、クリスマスの贈り物を子どもたちに届けるためにやってきたのです。
クリストキントは、静かに家の中に入り、子どもたちのために素晴らしい贈り物を置いていきました。彼は、貧しい家庭にも訪れ、どんな子どもにも愛と祝福を届けました。
翌朝、子どもたちが目を覚ますと、枕元に美しい贈り物が置かれていました。『クリストキントが来たんだ!』と喜びの声が上がり、家族みんなで素敵なクリスマスを迎えました。
いい笑顔だ(*‘∀‘)
とまぁ、ほぼサンタクロースなんだけど・・・両者は似て非なる者です。実はクリストキントはイエスを象徴しており、サンタクロースは聖ニコラウスをモデルとしています。
詳しくみてみましょ(*‘∀‘)
クリストキントの役割
クリストキントは、幼子イエスを象徴する存在で、天使のような姿で描かれることが多いです。彼は、クリスマスイブの夜に静かに家々を訪れ、眠っている子供たちにプレゼントを届けるという役割を持っています。サンタクロースが親しまれている国々とは異なり、クリストキントは目に見える形で登場することが少なく、静かに贈り物を置いていくという神秘的な存在です。
クリストキントの姿
クリストキントは通常、金色の髪を持つ天使のような姿で描かれ、白いローブをまとい、翼を持っていることが多いです。この神聖なイメージが、クリスマスの聖なる祝祭に深く結びついており、特にプロテスタント地域で親しまれています。
クリストキントとサンタクロースの違い
- クリストキント:幼子イエスを象徴する天使のような存在で、クリスマスイブに贈り物を届ける。主にドイツやオーストリア、スイスなどで親しまれている。
- サンタクロース:4世紀の聖人、聖ニコラウスに由来し、12月25日のクリスマスに子供たちにプレゼントを配る。特にアメリカやイギリス、北欧などで広く知られている。
クリストキントの伝説が続く地域
クリストキントの伝説は、特に**ドイツ南部やオーストリア、スイス、アルザス(フランスの一部)**で深く根付いており、クリスマスマーケットなどのイベントでクリストキント役の人が登場し、子供たちに祝福を与えることもあります。これらの地域では、クリストキントがクリスマスの象徴として大切にされています。
クリストキントが後に天使のような姿で描かれるようになったのは、ドイツやオーストリアの民間伝承と融合したためです。幼子イエスの象徴が、次第に金髪の天使のような姿で描かれるようになり、神聖で清らかな存在としてのイメージが強調されました。この天使的な姿は、特にクリスマス市場(クリスマスマーケット)などのイベントで象徴的に用いられ、現在でもそのイメージが続いています。
ヨーロッパでは、地域ごとに異なるクリスマスの伝統があり、クリストキントはその一部として長く続いてきた美しい伝説です。
16世紀の宗教改革とマルティン・ルターの影響
16世紀に起きた宗教改革が、クリストキントの発展における大きな転機でした。特にプロテスタント地域では、聖人崇拝を減らす運動が展開されていました。聖ニコラウス(サンタクロースの起源)は、12月6日に行われる聖人の祝日「聖ニコラウスの日」に贈り物を持ってくるという伝統がありましたが、これは聖人崇拝の一環として捉えられていました。
マルティン・ルターは、宗教改革者として、この聖ニコラウスの伝統を避け、キリスト教の中心であるイエス・キリストをクリスマスの象徴として押し出そうとしました。そのため、ルターは**「クリストキント」(幼子イエス)を贈り物を持ってくる存在として広める**ことを提案し、12月24日(クリスマスイブ)に贈り物を贈る習慣を取り入れました。
ルターによって強調された幼子イエスの象徴が、クリストキントの役割を形成する上で非常に重要でした。
※ルターがクリストキントの生みの親みたいに書かれている文献もありますが、クリストキントは元々幼子イエスの象徴です。クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝う祝祭であり、特に中世ヨーロッパでは幼子イエスを中心とした宗教的な儀式やイベントが行われていました。キリストの子供としての姿が、クリスマスの祝祭において神聖視され、特に幼子イエスを崇拝する伝統が続いていました。
それをルターが広く周知したわけです。
ではサンタとは?
あらためてサンタってなに?って考えるとむずかしいですよね。
サンタクロースの起源は、キリスト教のカトリックの聖人「聖ニコラウス(聖ニコラス)」に基づいています。そのため、サンタクロースはカトリックに由来する存在とされていますが、現在のサンタクロースのイメージは、カトリックの信仰だけに限らず、世界中で広く親しまれる存在になっています。
聖ニコラウスのカトリック的な背景
- 聖ニコラウスは4世紀に生きたカトリック教会の司教で、現在のトルコにあたる地域のミュラ(ミラ)の司教を務めていました。彼は貧しい人々や子供たちに対して贈り物をしたり、援助を行ったという伝説があり、その慈善行為が広く称えられるようになりました。
- 聖ニコラウスはカトリック教会において守護聖人として崇拝され、特に子供や船乗り、旅行者の守護者として知られています。彼の祝日である12月6日は「聖ニコラウスの日」として、ヨーロッパの多くの地域で祝われ、贈り物をする習慣が生まれました。
サンタクロースの発展
- 聖ニコラウスの伝説が時間と共に変化し、特に17世紀のオランダを経て、アメリカで「サンタクロース」の名前と形が広まりました。オランダ語で**「Sinterklaas(シンタクラース)」**と呼ばれていた聖ニコラウスが、アメリカに渡って「サンタクロース」に変わり、現在の赤い服を着た太った老人のイメージが生まれました。コカ・コーラさんが定着させたといえますね。
- サンタクロースは、現在ではキリスト教の宗派に限らず、世界的なクリスマスの象徴として、広く受け入れられるキャラクターになっています。
現代のサンタクロース
現代のサンタクロースは、カトリックの聖人としての起源を持ちながらも、世俗的なクリスマスの象徴としてカトリックだけでなく、プロテスタントやその他の文化や宗教でも広く認知されており、特定の宗教に縛られることなく、世界中の人々に親しまれています。
今ではお互い子供たちに夢を与える存在だね(/・ω・)/
したがって、サンタクロースの起源はカトリックにありますが、現在では宗教を超えた存在として、世界中のクリスマス文化に取り入れられています。
と、長い歴史の中で似た役割を得た二人。今では地域性を取り入れ、各地域で愛されていますね。互いに協力してクリスマスを盛り上げてくれる大切な存在です。