花咲か爺さん-強欲と利己主義の危険性を説く思いやりの話し

昔話は、時に現代社会に忘れがちなことを伝えてくれるよね。強欲と利己主義の危険性を説く話しといえば・・・花咲じいさんだね。

むかしむかし、ある小さな村に、心優しいお爺さんとお婆さんが住んでいました。
二人は貧しいながらも穏やかに暮らし、誰に対しても親切で、村の人々からも慕われていました。

お爺さんとお婆さんには、白くて小さな犬がいました。

二人はこの犬をとても大切にしており、犬もまた、お爺さんとお婆さんに寄り添って暮らしていました。

犬の白い毛並みは、まるで月の光のように輝き、二人にとってかけがえのない家族でした。

ある日、お爺さんが畑仕事をしていると、白犬が急に地面を掘り始めました。

「どうしたんだい、こんな場所で？」

と、お爺さんは不思議に思いながらも、犬の様子に従って、掘り進めることにしました。

犬が掘り進める場所を示すように吠えながら、お爺さんを導きます。

そして、しばらく掘り進めると、なんとそこには輝くような宝物が眠っていました。

お爺さんは驚きながらも、白犬のおかげで貴重な宝を手に入れたのです。

お爺さんが宝を見つけたという噂は、村中に広まりました。
そして、隣に住む強欲な隣人の耳にも届いたのです。

「ほう、お爺さんがそんなに素晴らしい宝を見つけたとは…！」

隣人は目を輝かせて、白犬の力を自分でも試そうと考えました。

隣人は無理やりお爺さんの家に押しかけ、白犬を連れ去ってしまいます。

お爺さんとお婆さんは必死に止めようとしましたが、隣人の力に抗えず、
大切な白犬は隣人の家へと連れて行かれてしまいました。

隣人に連れ去られた白犬は、無理やり宝を掘り出させられましたが、
隣人が手にしたのは泥と石ころばかりでした。

怒り狂った隣人は、その場で白犬に手荒な仕打ちを加え、ついには命を奪ってしまったのです。

その知らせを聞いたお爺さんとお婆さんは、悲しみに暮れました。

白犬がいなくなった家は、どこか寒々しく、二人の心には深い喪失感が漂います。

しかし、お爺さんは白犬が無念のまま去ってしまったことに心を痛め、彼のために何かできないかと考えました。

「白犬が残したものを大切にしよう」と、お爺さんは白犬の遺骨を祈りと共に手元に置き、彼のために火を焚くことを決心します。

(; ･`д･´)！？

お爺さんは白犬の遺骨を使い、彼の魂を鎮めるために火を焚くことにしました。
夜の静寂の中、火はパチパチと音を立て、白犬との思い出が二人の心に蘇ります。

すると、突然、火の中から光が放たれ、庭には見たこともないほど美しい花が咲き始めました。

その花びらは月の光を浴びて、静かに輝いています。お爺さんとお婆さんは目を見張り、これは白犬からの贈り物なのかと、感謝の気持ちを胸に抱きました。

ある日、お爺さんは白犬の灰が奇跡の力を持っていることに気付きました。
その灰を撒くと、枯れ木に美しい花が咲き誇るのです。

その噂はたちまち村中に、そして国中に響き渡りました。

噂を聞いた殿様が村を訪れることになり、お爺さんのもとにやってきました。

「花を咲かせる奇跡の技、見せてみよ」

お爺さんはその灰を手に、「枯れ木に花を咲かせましょう」と声を上げながら灰を撒きました。

すると、枯れ木が瞬く間に満開の花を咲かせ、辺り一面が花の香りで満たされました。

「あっぱれである！！褒美をさずけよう！！」

殿様はその美しさに大変喜び、お爺さんを称賛し、褒美を授けたのです。

しかし、その光景を隣から見ていた強欲な隣人も真似しようとします。

お爺さんの灰を奪い取り、殿様の前で同じように灰を撒きましたが、奇跡は起こらず、むしろ黒い煙が立ち上り、殿様の目を傷めたのです！

殿様は大いに怒り、隣人を厳しく罰しました。

「ひっ捕らえよ！手打ちにしてくれるわ！！」

こうして隣人は手打ちにあったのでした・・・。

その後、お爺さんとお婆さんのもとには、再び穏やかな日々が訪れました。

白犬の祈りから咲いた花は、静かに家の庭を彩り、二人に新たな希望をもたらしました。

お爺さんとお婆さんは、花に囲まれた庭で手を合わせ、白犬への感謝を捧げます。

「ありがとう、わたしたちにこの奇跡をもたらしてくれて…」

夜空には、無数の星が瞬き、静かな光が家を優しく包んでいます。

こうして、二人と白犬の絆は永遠に残るものとなりました。