古典攻略|源氏物語『桐壺』をわかりやすく学ぶ&古典の重要ポイントを整理-WITH柴犬

「源氏物語」冒頭を飾る「桐壺」は、物語全体の基盤を築く重要な章です。この章では、主人公・光源氏の母である桐壺更衣が、帝から深い愛情を受けるも、その寵愛が原因で宮廷内で孤立し、若くして命を落とすまでの物語が描かれます。

桐壺更衣の悲劇的な運命と、それが光源氏の人生に与える影響は、「源氏物語」のテーマである愛の儚さや人間関係の複雑さを象徴しています。本記事では、平安時代の宮廷文化を背景にした「桐壺」のあらすじや、試験で問われやすいポイントを解説しながら、その魅力に迫ります。

「桐壺」は、古文の中でも受験頻出の章であり、「源氏物語」の序章として重要な役割を果たします。主人公・光源氏の母である桐壺更衣が、帝から深い愛情を受けながらも、宮廷内で孤立し悲劇的な最期を迎えるこの物語は、平安時代の宮廷文化や人間関係を深く理解するうえで欠かせません。

試験では、桐壺更衣の孤独や帝の寵愛、さらに嫉妬に満ちた宮廷の様子が問われることが多く、背景知識や古文の表現を押さえることが得点アップの鍵となります。本記事では、「桐壺」のあらすじをわかりやすくまとめ、受験対策に役立つポイントを解説します。

まずは「あらすじ」簡単に知り+軽く理解して、実際の問題を見ていきます。

重要な登場人物

あらすじに進む前に、登場人物を軽く整理します。

  • 桐壺更衣(きりつぼのこうい)
    帝に最も愛された妃であり、光源氏の母。美貌と品格を備えていますが、他の妃たちから嫉妬を受け、心身ともに追い詰められていきます。
  • 帝(みかど)
    桐壺更衣を他の妃よりも優遇し、特別扱いします。この偏愛が宮廷内の女性たちの不和を助長します。
  • 弘徽殿女御(こうきでんのにょうご)
    帝の正妻に近い存在。桐壺更衣を激しく嫉妬し、彼女の孤立を強める中心人物。いじめの主犯。
  • 光源氏(ひかるげんじ)
    桐壺更衣の子で、物語の主人公。彼の出生や境遇が物語の全体を動かしていきます。
  • 藤壺(ふじつぼ)
    光源氏が心惹かれる女性であり、桐壺更衣に容姿が似ています。帝の後宮に入ることで物語の重要な役割を担います。名前が桐壺とにているのでたまに読み間違えることも・・・気を付けましょう。

桐壺のあらすじ

まずはあらすじを頭にいれましょう。

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平安時代の宮廷で、帝(天皇)は数多くの妃の中から、桐壺更衣(きりつぼのこうい)を特別に寵愛していました。彼女は類稀なる美貌を持ち、帝の心を独占する存在でした。しかし、その寵愛が原因で他の妃たち(特に弘徽殿女御〈こうきでんのにょうご〉)の嫉妬を買い、宮廷内で孤立することになります。つまりいじめですね。

桐壺更衣は次第に心労から病に倒れ、帝の必死の看病も虚しく、若くして亡くなってしまいます。彼女の死に、帝は深い悲しみに沈みます。桐壺更衣が残した息子が、後に「光源氏(ひかるげんじ)」と呼ばれる主人公です。

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幼くして母を失った光源氏は、帝から深い愛情を注がれますが、母親の面影を追い求めるようになります。その後、彼の人生は恋愛や運命に翻弄される波乱に満ちたものとなります。

以上が桐壺更衣に関するエピソードです。

内容のポイント

  1. 桐壺更衣の特別な存在感
    • 宮廷で帝から唯一無二の愛を受けた妃として描かれる。
    • その愛情が引き起こす宮廷内の軋轢と嫉妬が物語の核。
  2. 宮廷内の権力争い
    • 桐壺更衣と他の妃たちの対立が、平安時代の社会や女性の地位を象徴。
    • 弘徽殿女御の存在が嫉妬や陰湿さを体現している。
  3. 光源氏誕生の背景
    • 主人公光源氏の母である桐壺更衣の死が、物語全体の発端となる。
    • 母を失った幼い光源氏の孤独と、帝の溺愛が後の物語の伏線に。

こんな風にシンプルに覚えられます!

  1. 帝が桐壺更衣を特別に愛した。
  2. 嫉妬が原因で桐壺更衣が宮廷内で孤立し、病に倒れる。
  3. 桐壺更衣の死により、光源氏が母の影を追う人生を歩み始める。

では、問題としてよく出る箇所を原文と現代訳に分けて整理します。

よく出る箇所を原文と現代訳に整理して解説

「桐壺」の原文の中で、特に重要とされる箇所をいくつか抜粋してご紹介します。これらの箇所は試験でも取り上げられる可能性が高い部分です。わかりやすいように、各シーンで分けています。


1. 桐壺更衣の寵愛

原文

いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあはれと御覧じて、世の例にもなりぬべき御もてなしなり。

現代語訳: 桐壺更衣がますます病弱になり、心細げに実家に引きこもりがちになっている様子を、帝はますます愛おしくご覧になり、世間の例を超えるような扱いをされた。

解説

  • 桐壺更衣の病と孤独感を強調しつつ、帝がいかに彼女を特別視していたかを表しています。
  • 「世の例にもなりぬべき御もてなし」が、特別な寵愛を意味します。

重要古語

いとあつしくなりゆき

  • 現代語訳: 病状がますます重くなっていく。
  • 重要ポイント: 「あつし」は病が重いことを表す古語で、平安文学ではよく使われる表現。

いよいよあはれと御覧じて

  • 現代語訳: ますます愛おしくお思いになって。
  • 重要ポイント: 「あはれ」は感情の深さを表す重要な古語で、文脈に応じて「愛おしい」「悲しい」などの意味を持つ。

世の例にもなりぬべき御もてなしなり

  • 現代語訳: 世間の例を超えるような扱いである。
  • 重要ポイント: 「もてなし」は振る舞いや扱いを指し、平安時代の宮廷生活でよく使われる語。

2. 桐壺更衣の孤独

原文

さても、かかるありさまにて、世の中にものし給ふこといと苦しきに、えさらぬ事のみし給ひつつ、つらき目をのみまかり見給ふを、いかに思しめさむと、ただ涙に沈み給ふ。

現代語訳: それにしても、このような状況で宮中に仕える日々は非常に辛く、避けられない義務を果たしながら、つらい日々を過ごしておられる桐壺更衣を、帝はどれほどお心にかけておられることか。ただ涙に暮れるばかりである。

解説

  • 桐壺更衣の苦境と孤独感を描写。
  • 帝の愛情と桐壺更衣の不遇を同時に表現しています。

重要古語

つらき目をのみまかり見給ふ

  • 現代語訳: 辛い思いばかりをし続けておられる。
  • 重要ポイント: 「つらき目」は辛い体験や困難を意味する古語表現。

涙に沈み給ふ

  • 現代語訳: 涙に暮れておられる。
  • 重要ポイント: 「沈む」は感情が深く落ち込む様子を表す。

3. 弘徽殿女御の嫉妬

原文

弘徽殿の女御あたりは、我はと思ひあがり給へる御方々、まして安からず。

現代語訳: 弘徽殿女御をはじめとする「自分こそは」と思い上がった妃たちは、ますます気が安まらない。

解説

  • 宮廷内での嫉妬や対立が鮮明に描かれた部分。
  • 弘徽殿女御が桐壺更衣を敵視し、孤立を深める様子を示しています。

重要古語

我はと思ひあがり給へる御方々

  • 現代語訳: 自分こそはと思い上がっていらっしゃる方々。
  • 重要ポイント: 「思ひあがる」は自負や驕りを意味し、嫉妬や対立を示唆する文脈で使われる。

まして安からず

  • 現代語訳: ましてや気が落ち着かない。
  • 重要ポイント: 「安からず」は心が平穏でないことを表す。

4. 桐壺更衣の死

原文

世にもいとあはれなりし御有様を、あるじの御心ばへの類ひなくのみあはれと見給ふを、まして里人の心地にはいとどしき事に思ひなされぬ。

現代語訳: 世にも類まれなほど悲しい桐壺更衣の最後の姿を、帝はひときわ哀れとご覧になり、ましてや実家の人々にとっては一層心を痛める出来事であった。

解説

  • 桐壺更衣の死が帝と周囲に深い悲しみを与えた場面。
  • 「あはれ」の感情を通じて、平安文学特有の哀感が表れています。

重要古語

いとあはれなりし御有様

  • 現代語訳: 本当に哀れであられたご様子。
  • 重要ポイント: 「あはれ」は、ここでは深い悲しみを表現している。

あるじの御心ばへの類ひなくのみあはれと見給ふ

  • 現代語訳: 帝のご愛情が類まれであり、ひたすら哀れと思われる。
  • 重要ポイント: 「御心ばへ」は心遣いや愛情を意味し、「類ひなく」は唯一無二を強調する語。

5. 藤壺との類似

原文

まして似たる人もなかりければ、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを、いとよう見給ひける人の御ありさまなり。

現代語訳: ましてや彼女に似た人もいなかったため、類稀なるご寵愛を受けた桐壺更衣。その姿は、いとおしく映るものだった。

解説

  • 桐壺更衣が唯一無二の存在であったことを表現。
  • 藤壺の登場が、桐壺更衣との類似を通じて物語に新たな展開を与える伏線となります。

重要古語

似たる人もなかりければ

  • 現代語訳: 似た人もいなかったので。
  • 重要ポイント: 「なかりければ」は、「ない」という過去形の丁寧表現。

いとよう見給ひける人の御ありさまなり

  • 現代語訳: 実にいとおしくご覧になった方のご様子である。
  • 重要ポイント: 「いとよう」は「非常に」「とても」という意味。

勉強のポイント

  • 語句の理解: 「あはれ」「えならぬ」など、平安文学特有の表現を正確に理解する。
  • 特に「あはれ」「御心ばへ」「安からず」などは試験でも問われる可能性が高い。
  • 文脈の把握: 誰が何を思っているか、特に主語が省略されやすい古文の特徴を注意する。
  • 背景知識の活用: 平安時代の宮廷文化や当時の価値観を踏まえると、記述の意図がより深く理解できます。

再確認!! 桐壺のあらすじ

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平安時代の宮廷で、帝(天皇)は数多くの妃の中から、桐壺更衣(きりつぼのこうい)を特別に寵愛していました。彼女は類稀なる美貌を持ち、帝の心を独占する存在でした。しかし、その寵愛が原因で他の妃たち(特に弘徽殿女御〈こうきでんのにょうご〉)の嫉妬を買い、宮廷内で孤立することになります。つまりいじめですね。

桐壺更衣は次第に心労から病に倒れ、帝の必死の看病も虚しく、若くして亡くなってしまいます。彼女の死に、帝は深い悲しみに沈みます。桐壺更衣が残した息子が、後に「光源氏(ひかるげんじ)」と呼ばれる主人公です。

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幼くして母を失った光源氏は、帝から深い愛情を注がれますが、母親の面影を追い求めるようになります。その後、彼の人生は恋愛や運命に翻弄される波乱に満ちたものとなります。

最後に

「桐壺」は、大学入試の古文で頻出の章です。特に、センター試験や共通テストでは、過去に「桐壺」からの出題が見られます。例えば、2014年のセンター試験では「桐壺」が取り上げられました。

他の大学入試でも「桐壺」は頻繁に出題されています。このことから、「桐壺」は受験生にとって重要な章であり、しっかりと対策を行うことが求められます。

まずはこれまで紹介した箇所を把握して「大体の内容は知っている」状態を作ってください。

ではまた!

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