マヤ神話③人間の創造と試行錯誤:試行錯誤から生まれたトウモロコシの人間

マヤ神話では、神々は「自分たちを崇め、賛美する存在」を創ることを決意します。しかし、その道のりは一筋縄ではいきませんでした。泥、木、トウモロコシといった素材を使い、試行錯誤を重ねた末に、ようやく理想の人間が生まれました。この創造の過程は、マヤ文明がいかに自然や神聖な生命と深く結びついていたかを示す象徴的な物語です。

1. 神々の挑戦:人間創造の目的

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  • 賛美と感謝の存在を求めて
    神々は、動物の創造が期待外れに終わった後、「自分たちを讃える存在」を求めて新たな挑戦を始めました。賛美、感謝、信仰を捧げる存在こそが、神々が世界を創った目的にふさわしいものと考えられました。
  • 人間創造の重要性
    この挑戦は、単なる生命の創造ではなく、神々とつながりを持つ特別な存在を生み出すことを目指していました。

2. 第一の試み:泥の人間

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  • 泥で作られた最初の人間
    神々は、柔らかく形を整えやすい泥を素材として最初の人間を作りました。この泥の人間は姿を持ち、動くことができましたが、非常に脆く、簡単に崩れてしまいました。
  • 失敗の理由
    泥の人間は形を保つことができず、さらに話すことも感謝を表すこともできませんでした。このため、神々は泥を素材とする創造を失敗と見なしました。

3. 第二の試み:木の人間

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  • 木材を使った人間
    次に神々は、より堅固な素材である木を使って人間を創りました。この木の人間は形を保ち、動き、話すこともできました。
  • 心の欠如
    しかし、木の人間には感情や心がなく、神々への賛美や感謝を捧げることができませんでした。彼らは生きているように見えても、内面は空虚であり、神々が望んだ「信仰者」にはなれなかったのです。
  • 木の人間の運命
    神々はこの失敗作を滅ぼすことを決め、大洪水を起こしました。木の人間たちはその後、猿へと姿を変え、人間の「失敗の記憶」を象徴する存在として描かれるようになりました。

この木の人間たちは後に洪水で滅ぼされ、その後「猿」になったとされています。

この時期に冥界シバルバの支配が大きくなり、生と死の循環が乱れます。この乱れを正しく整える物語はまた別の機会に。


4. 最終的な成功:トウモロコシの人間

冥界シバルバの支配者たちを斃し、生と死の循環が整った後、神々は再び人間を創造します。

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  • トウモロコシを選ぶ理由
    最後に、神々はマヤ文明において最も神聖な作物であるトウモロコシを素材に選びました。トウモロコシは生命の源であり、マヤの人々にとって食糧として欠かせない存在です。
  • トウモロコシ人間の誕生
    トウモロコシの粉から作られた人間は、知恵と感情を持ち、神々に感謝を捧げることができました。彼らは神々が望んだ理想の存在であり、現在の人類の起源とされています。
  • 神々の満足
    トウモロコシ人間は、神々の意志を尊重し、感謝の心を持つ存在として誕生しました。これにより、神々の試行錯誤は成功を迎えました。

5. トウモロコシ人間の象徴

  • 自然との調和
    トウモロコシ人間の創造は、マヤ人が自然と深く結びつき、自然の恵みに感謝する文化の象徴です。この物語は、自然からの贈り物を受け入れることの重要性を教えています。
  • 生命と再生のシンボル
    トウモロコシはマヤ人にとって単なる作物ではなく、生命そのものを象徴するものでした。このため、トウモロコシ人間の誕生は、神々と人類のつながりを表す深いメッセージを含んでいます。

泥、木、トウモロコシという異なる素材を使った神々の試行錯誤は、単なる創造物語ではなく、マヤ文明における自然観と信仰の根幹を示しています。

最終的にトウモロコシ人間が誕生したことで、神々と人間の関係が確立されました。

この物語は、自然への感謝と生命の神聖さを教える普遍的なテーマを持っています。

トウモロコシの粉から人をつくるとは、凄い発想な気もしますね。

ここまでの時系列とこれからの予告

マヤ神話の大まかな時系列
①無の状態からの創造

  • 神々が水と空から世界を作り、大地や山々、川、森を創造します。

②の創造

  • 最初に鹿や鳥、ジャガーなどの動物が作られますが、言葉を持たず、神々を称えられないため失敗とみなされます。

泥で人間を作る試み

  • 神々が初めて人間を作ろうとしますが、泥で作られた人間は形を保てず失敗します。

木で人間を作る試み(木の人間)

  • 次に木を使って人間を作りますが、これらの人間は魂や知恵を持たず、神々を敬うこともできません。
  • この木の人間たちは後に洪水で滅ぼされ、その後「猿」になったとされています。

フンフンアフプーとヴクブ・フンアフプーの物語

  • 木の人間が作られた後、フンフンアフプーとヴクブ・フンアフプーがシバルバの支配者たちと対立し、冥界で罠にかけられます。
  • この物語は、生命の循環が崩れ、双子がその秩序を取り戻すための前提を作る重要な出来事です。

フンアフプーとイシュバランケの試練と勝利

  • 双子たちが父と叔父の無念を晴らし、冥界の支配者たちを倒します。
  • この勝利によって、生命と死の循環が整えられ、神々が再び創造に取り組む準備が整います。

トウモロコシ人間の創造

トウモロコシ人間は知恵を持ち、神々を敬うことができる存在として完成されます。

最終的に、神々はトウモロコシという神聖な素材を使い、人間を創造します。

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