メアリー・キングス・クロース:幽霊伝説と歴史の真実に迫るエディンバラの地下都市の物語
スコットランドの首都エディンバラ。
その地下には「地下都市」と呼ばれるメアリー・キングス・クロースが存在します。
ここは、歴史的にも観光的にも有名なスポットですが、その薄暗い通路には数々の恐怖の噂が渦巻いています。
今回は、この場所にまつわる怪談とその背後にある歴史について深掘りしていきます。
1. メアリー・キングス・クロースとは?
メアリー・キングス・クロースは、スコットランドの首都エディンバラの旧市街にある狭い通り(クロース)のひとつで、17世紀には活気にあふれる場所でした。
しかし、ペストの流行や都市再開発により、地下に埋められる形でその姿を消しました。この歴史的な背景が、さまざまな幽霊話の温床となっています。
2. 最も有名な怪談:リトル・アニーの霊
メアリー・キングス・クロースで最も有名な怪談のひとつが、リトル・アニーという少女の霊です。
- エピソードの始まり
リトル・アニーの存在は、ある霊媒師がこの場所を訪れた際に発見されました。彼女は、かつてこの場所でペストにより家族と離ればなれになり、寂しさの中で亡くなったと言われています。 - おもちゃの山
霊媒師が彼女のためにぬいぐるみを置いていったことから、現在でも訪問者がアニーのためにおもちゃを寄付しています。アニーの部屋には、寄せられたぬいぐるみやおもちゃが山積みになっています。 - 現代の目撃談
ぬいぐるみを触った後に奇妙な感覚を覚えたという報告や、アニーのすすり泣きが聞こえたという話が絶えません。
3. 他にも広がる幽霊の噂
- 通路を歩く謎の男性
廃墟となった通りを歩いている男性の幽霊が目撃されることがあります。彼は突然現れ、訪問者が目をそらすと同時に消えてしまうと言われています。 - すすり泣きや足音
夜になると、どこからともなくすすり泣きや足音が聞こえる現象が頻繁に報告されています。 - 黒い影の存在
壁の近くで黒い影が目撃されることもあります。この影は訪問者の写真に写り込むことが多く、不気味な印象を与えます。
4. 怪談の背後にある歴史
メアリー・キングス・クロースは、ペストの流行時に多くの人々が隔離された場所として知られています。
1645年のペスト(黒死病)の流行により、この地域は甚大な被害を受けました。
ペストの感染者を隔離するため、一部の建物やクロースそのものが封鎖され、感染した人々はほぼ見捨てられる形で閉じ込められたと言われています。都市人口の半数が亡くなったそうです。
この悲劇的な歴史が、ここに霊が取り憑いているという噂の元になっています。
また、都市再開発で通りが地下に埋もれた後も、人々の生活の痕跡がそのまま残っていることが、不気味な雰囲気をさらに強調しています。
5. 地下に生きた娼婦たちの生活
メアリー・キングス・クロースの周辺では、娼婦たちもまた厳しい生活を強いられていました。
- 活動と居住環境
彼女たちは、クロースや酒場、宿屋などで活動していましたが、多くは低層階や地下部分の狭い部屋に住んでいました。これらの場所は湿気が多く、換気が不十分で、感染症や病気が蔓延しやすい環境でした。 - 衛生状態
排泄物やゴミが路地に溢れる中、娼婦たちは性感染症や栄養失調、肺結核などの病気にさらされていました。梅毒や淋病といった病気は特に一般的で、治療法も効果が薄いものでした。 - 社会的地位とリスク
社会的に軽蔑される一方で、暴力や警察の取り締まりのリスクにも直面していました。彼女たちの生活は、生存そのものが危ぶまれる過酷なものでした。
6. 科学的視点:怪談の原因とは?
様々な理由が関係していますが、次のような環境的、心理的要因が原因の可能性が指摘されています。
- 環境的要因
地下の閉鎖的な空間、薄暗い照明、そして湿気や音の反響が、訪問者に不安や恐怖を与える可能性があります。 - 心理的影響
怪談を聞いた状態で訪れることで、恐怖感が増幅され、普通の出来事も超常現象のように感じられることがあります。
ただ、これだけで結論づけられるほど、浅い話しではないので、原因は不明です・・・。
7. 現代の観光と怪談ツアー
現在、メアリー・キングス・クロースは観光名所として整備され、訪問者はガイド付きツアーでその歴史と怪談を体験できます。
特に人気があるのは、ガイドが語る実際の目撃談や霊の話です。つまり、ガイドさんが心霊スポット巡りをしてくれるというもの。
これらのツアーは、恐怖を求める観光客にとって人気のサービスとなっています。
8. まとめ:メアリー・キングス・クロースの魅力
メアリー・キングス・クロースは、スコットランドの悲劇的な歴史と怪奇現象が交錯する特別な場所です。
訪問者はその不気味な魅力に引き込まれ、歴史の中に埋もれた物語と対峙することができます。
あなたも一度、この地下の恐怖を体験してみてはいかがでしょうか?
くれぐれも茶化したり無礼な態度をとらないようにしてくださいね。
今でも不思議なことが実際に起きているのですから・・・。