ギリシャ神話で語られる人攫いの物語:なぜ神々は人間をさらうのか!?誘拐をする神様たち
ギリシャ神話の神様って人攫い多くないですか?
確かに、ギリシャ神話では神々による人攫いや誘拐のエピソードが数多く見られます。
特にゼウスやポセイドンといった主要な神々に関する話が有名です。
ギリシャ神話の世界観では、神々が人間や他の存在に強い興味を抱き、自らの力で欲望を満たすことがしばしば描かれています。
ここでは、いくつか代表的な例を挙げてみましょう。
1. ゼウスの人攫いエピソード
ゼウスは人間界への関心が強く、多くの誘拐・拉致事件を引き起こしています。

- ガニュメデス:トロイの美少年ガニュメデスを大鷲に姿を変えて攫い、オリュンポスで神々の酒給仕として仕えさせました。

- エウロペ:美しいフェニキアの王女エウロペを白い牡牛に変身して誘拐し、クレタ島へ連れ去りました。このエピソードが「ヨーロッパ」という地名の由来になったと言われています。
2. ハデスのペルセポネ誘拐

ハデスは冥界の王で、春の女神ペルセポネを見初め、地上から攫って冥界の女王にしました。この出来事を悲しんだ母デメテルが大地を不毛にし、その結果として四季が生まれたという神話が知られています。
3. ポセイドンの強引なエピソード
ポセイドンもゼウスに次いで人間に興味を示す神でした。

- アムュモネ:ナウプリアに水を求めに来ていた彼女に目をつけ、攫って自分のものにした話が残っています。
4. アポロンとダフネ
未遂ですが、アポロンもかなり怖いです。

アポロンはダフネを追いかけるものの、彼女は父の川の神ペーネイオスに頼んで月桂樹に変わって逃げました。この場合は誘拐には至らなかったものの、執拗な追跡が描かれています。まるでストーカーです。
5. アイオロス家の誘拐劇
風神アイオロスの子孫には、カリュプソやキルケーなど、人間や英雄を誘惑して自分の住処に留めるというエピソードもあります。
なぜこんなに人攫いが多いのか?
- 力の誇示:ギリシャ神話に登場する神々は、人間や自然を支配できる存在であることを示すために、その力を誇示するエピソードが必要だったとも言われています。
- 人間の世界と神の世界のつながり:ギリシャ神話では、神と人間がしばしば交わることで英雄が生まれます(ヘラクレスやペルセウスなど)。そのため、神々が人間に興味を抱く話が数多く語られました。
- 自然現象の説明:ハデスとペルセポネの話のように、季節の変化や自然現象を説明するために誘拐劇が用いられることもありました。
これは・・・死生観の違いなどもあるでしょうけど、怖いね・・・。
ギリシャ神話の神々は人間的な欲望や感情が強く、道徳的に問題のある行為を平然と行います。人攫いエピソードの多さは、神々が人間に近い存在として描かれていた証拠かもしれませんね。