橋姫とは?宇治橋に伝わる怨霊伝説と丑の刻参りの関係を徹底解説!
橋姫(はしひめ)は、京都・宇治橋に伝わる怨霊・鬼女の伝説で、日本の怪談や能、歌舞伎などでも広く語られる存在です。
嫉妬に狂った女性が鬼と化し、宇治川で人々を呪い殺すという恐ろしい伝説が残されています。
橋姫伝説の起源
橋姫の伝説は、平安時代の『大和物語』や『平家物語』に登場します。

伝承によれば、ある女性が夫に裏切られ、嫉妬と憎しみに満ちた心を抱き続けました。彼女は復讐を願い、貴船神社に七日七晩こもって祈り続けました。
貴船神社の神託によると、彼女が「宇治川に身を沈め、恐ろしい姿に変われば願いは叶う」と告げられます。

そこで彼女は、顔に朱を塗り、身体には丹を塗り、五徳(鉄輪)を頭にかぶり、燃え盛る松明を四方につけた姿で川へ入りました。こうして彼女は鬼へと変貌し、次々と人を呪い殺すようになったのです。
貴船神社と「丑の刻参り」
橋姫の伝説は、現在の「丑の刻参り」とも深く関わっています。

丑の刻(午前1時~3時)に、白装束に鉄輪を身に付けます。そして、わら人形に釘を打ち込む呪詛の儀式が行われるというものです。貴船神社は現在でも恋愛や縁切りにまつわる神社として知られています。一説では、この橋姫伝説が元になっているとも言われています。
宇治橋と橋姫神社
橋姫の怨念を鎮めるため、宇治橋の近くには「橋姫神社」が建立されました。

ここには、橋姫を祀るとされる小さな祠があります。厄除けや縁切りの祈願が行われています。
また、宇治橋の橋杭には「橋姫の呪い」が今も宿っているとか・・・。かつては橋を渡る人々が恐れを抱いたとも伝えられています。
橋姫の影響 – 能・歌舞伎・現代文化への影響
橋姫の物語は、日本の芸能にも深く影響を与えています。

- 能『鉄輪(かなわ)』:嫉妬に狂った女が鬼となり、元夫を呪い殺そうとする物語。
- 歌舞伎『橋弁慶』:義経を襲う橋姫の伝説が一部取り入れられている。
- 漫画・アニメ:橋姫は「怨霊」「鬼女」の象徴として、多くのホラー作品のモチーフとなっている。
まとめ
橋姫は、ただの怪談ではなく、平安時代から続く「嫉妬と怨念」の象徴として語り継がれてきました。
その怨霊は宇治川のほとりに今もなお漂い、現代の私たちにも「人の心の闇」の恐ろしさを伝えています。