アーサー王伝説|第2章 若き王と内乱の始まり ― 真の王への第一歩

前回はアーサーが岩にささった剣を抜き、王たる資格を示しました。これはその後のお話しです。 第1章はこちら。

※古典と少しずれていたので、記事を修正しました。

戴冠と王の誕生

石の剣を引き抜いたその日、アーサーはまだ“名もなき少年”だった。
だが、その手にあった剣は、誰よりも鮮やかに未来を照らしていた。

貴族たちは即座に納得しなかった。
「王の血を引いている証がない」「ただの従者の子ではないか」と。
だが、老賢者マーリンが立ち上がり、アーサーの出生の秘密を語る。

「この少年こそ、かつての王ユーサー・ペンドラゴンの正統なる子である」

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民衆の間にざわめきが広がった。

その数日後、大聖堂には荘厳な鐘が鳴り響き、
王としての戴冠の儀が厳かに執り行われた。

純白のローブをまとい、神官の手で冠を受ける少年――アーサー。
その瞳には、不安と責任の色が浮かんでいた。

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「本当に自分が王としてふさわしいのか」
「この国を導いていけるのか」――

だが、その奥には、確かな決意も宿っていた。
「王となることが自分の運命ならば、それを果たす」
その誓いを胸に、アーサーは静かに立ち上がった。

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こうして、若きブリテン王が、正式に誕生したのだった。


若き王と内乱の始まり

アーサーが石の剣を引き抜き、王として認められたのち、すぐに国が平和になったわけではなかった。

ブリテンの多くの諸侯たちは、若きアーサーの即位を認めず、「あれは魔術か幻術だ」「王たる血筋は定かでない」と公然と反旗を翻した。

特に強硬だったのはロト王(オークニー諸島)やノルウェーの王ら、北の連合軍だった。 彼らは南進し、王国を揺るがす内乱が始まる。

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■ 初陣の若き王

若きアーサーは、混乱の中で初めて本格的に軍を率いることとなった。 忠臣ケイ卿とベディヴィア卿を側に置き、マーリンの助言のもと、戦の陣頭に立つ。

戦場でのアーサーは若さゆえに血気盛んであったが、正義と信念に満ち、兵たちの士気を高めた。

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ある夜、密かに敵陣に奇襲を仕掛けた若き王は、自ら剣を振るって敵将の一人を討ち取ったという。

■ 勝利とともに得た信頼

内乱の激しさは一年にも及んだが、アーサー王は北の諸侯たちを各個に撃破し、ついに和睦へと導く。

ロト王もついにアーサーを正式なブリテン王と認め、その娘をアーサーの宮廷に送り、忠誠を誓ったという。

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この勝利によって、アーサーは王としての地位を内外に示し、ついにブリテンの全土を名実ともに治める王となった。

だが、その心にはまだ迷いがあった。

国を治めるとは何か。力で征することが、正しさなのか。

その問いは、彼が後に湖の乙女と出会い、真の王たる意味を知るまで続くことになる。

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