聖女ジャンヌ・ダルクの物語|名言と後世に残した影響
ジャンヌ・ダルクは、15世紀フランスの百年戦争に突如現れた少女です。
彼女は農家の娘として生まれましたが、13歳のころから「聖ミカエル」や「聖カトリーヌ」といった聖人の声を聞いたと語りました。やがて「祖国を救え」という神の啓示を受け、フランス王太子シャルル7世のもとへ赴きます。
ジャンヌ・ダルク ― 神の声に導かれた乙女の物語
少女の耳に届いた声

15世紀のフランス。
ひとりの農家の娘が、小さな村で羊を追っていました。
その名は ジャンヌ。まだ13歳の少女でした。
ある日、彼女の耳に天からの声が響きます。
「フランスを救いなさい」
それは聖人たちの声だと、ジャンヌは信じました。
胸に灯った使命感は、彼女をただの娘から「運命を背負う者」へと変えていったのです。
オルレアンの奇跡
やがてジャンヌは王太子シャルルのもとへ赴き、自らの使命を語ります。
周囲は半信半疑でした。しかし、彼女の澄んだ瞳と揺るぎない言葉は、人々の心を揺さぶりました。

1429年、イングランド軍に包囲され絶望に沈んでいたオルレアン。
そこに現れたのは、甲冑に身を包み、十字の旗を高く掲げたジャンヌの姿でした。
「恐れるな!神は我らと共にある!」
その声は兵士たちに力を与え、彼らは再び剣を握りました。
そして、わずか9日で包囲は破られます。
この出来事は「オルレアンの奇跡」と呼ばれ、ジャンヌは英雄として讃えられました。
裁かれる乙女
しかし、奇跡の乙女にも試練が訪れます。
政治の駆け引きの中でジャンヌは捕らえられ、「異端者」として裁かれました。
「本当に神の声を聞いたのか?」
「悪魔と契約していないか?」

幾度も問い詰められるなかで、彼女はただ「神に従った」と答え続けました。
1431年、ルーアンの広場。炎に包まれるその瞬間まで、ジャンヌの瞳は揺るぎませんでした。
彼女はわずか19歳で、その生涯を閉じたのです。
※いつの時代も汚い政治と金と権力ですね・・・。
聖女としての記憶
それから時が流れ、ジャンヌの名誉は回復されました。
やがて教会によって聖人に列せられ、今では「聖女ジャンヌ・ダルク」として世界中で語り継がれています。

彼女の物語は、
- 神の声を信じ抜いた信仰の強さ、
- 祖国を守った勇気、
- 女性でありながら戦場に立った強さ、
そのすべてを象徴するものとして、今も輝きを失うことはありません。
ジャンヌ・ダルクの名言集
ジャンヌの言葉は、今もなお多くの人々の胸を打ちます。
彼女が残した名言の一部を紹介します。
- 「私は恐れない。神が共にいるのだから。」
→ 敵に囲まれても、信仰の強さが彼女を支えていました。 - 「行動する時が来れば、恐れる必要はない。」
→ 迷いを断ち切り、使命を果たす決意を表した言葉。 - 「もし私の言葉が正しいなら、神がそれを支えてくださるでしょう。」
→ 裁判の中でも、彼女は自らの信念を曲げませんでした。
これらの言葉は、信仰と勇気、そして揺るぎない精神力を象徴しています。
後世の評価と影響

ジャンヌ・ダルクの生涯は、短くも鮮烈でした。
死後、彼女の名誉は回復され、1920年にはカトリック教会によって正式に「聖人」に列せられます。
後世に与えた影響は計り知れず、
- 文学作品(シェイクスピアやマーク・トウェインも題材に)
- 音楽(オペラ、交響曲などで彼女を讃える)
- 芸術(絵画・彫刻で聖女として描かれる)
- 現代文化(映画やゲームでも勇気ある戦乙女として登場)
と、彼女の姿は様々な形で表現され続けています。
また、「女性が歴史の舞台で英雄として語られる」先駆け的存在としても、世界史上きわめて重要な意味を持ちます。
まとめ ― あなたにとってのジャンヌとは?
ジャンヌ・ダルクの物語は、
- 信仰を貫く強さ、
- 国を思う勇気、
- 若くしても使命に生きる覚悟、
を私たちに伝えてくれます。
彼女はわずか19年の生涯で、歴史に消えない光を刻みました。
その生き方は、今もなお「勇気を持って行動するとはどういうことか」を問いかけています。
あなたにとってのジャンヌ・ダルクは、どんな存在でしょうか?
聖女としての象徴? それとも、自らの信念を貫いたひとりの少女?
その答えは、読み手ひとりひとりの心の中に宿るのかもしれません。
※日本、瀬戸内のジャンヌダルク、鶴姫はこちら。






