マザーハーロットとは?『黙示録』に登場する大淫婦バビロンの正体と現代文化への影響

マザーハーロット(Mother Harlot)は、新約聖書『ヨハネの黙示録』に登場する「大淫婦バビロン」を指す呼び名です。

終末に現れる背徳の象徴であり、富と権力、偶像崇拝、堕落した世界体制を体現する存在として描かれています。

聖書における描写

『黙示録』第17章では、マザーハーロットは次のように描かれます。

ChatGPT-Image-2025年9月19日-22_46_20-1024x683 マザーハーロットとは?『黙示録』に登場する大淫婦バビロンの正体と現代文化への影響
  • 紫と緋の衣をまとい、金や宝石で飾られた女
  • 七つの頭と十本の角を持つ緋色の獣にまたがっている
  • 手には「淫行の汚れ」で満ちた金の杯を持つ
  • 額には「大いなるバビロン、娼婦たちの母」と記されている
  • 聖徒の血に酔いしれている

この鮮烈なイメージは、堕落と神への反逆の象徴とされ、最終的には神の裁きを受けて滅ぼされると記されています。


マザーハーロットは何を象徴するのか

解釈にはいくつかの説があります。

ローマ帝国説(多数派)

七つの丘を持つ都市ローマを指すとされ、当時の覇権と迫害の象徴と考えられています。

エルサレム説

旧約の預言にある「背信の花嫁」のイメージから、神に選ばれながら背いたエルサレムを指すとする見解です。

普遍象徴説

特定の都市に限らず、富と権力に酔いしれた堕落した秩序の象徴とみる立場。どの時代にも現れる「バビロン性」を表す寓意として読まれます。


美術と図像学におけるマザーハーロット

中世から近世にかけて多くの芸術作品に描かれました。
特に有名なのが、アルブレヒト・デューラーの木版画《黙示録:バビロンの大淫婦》(1498年)。七つの頭の獣と杯を掲げる女性像は、その後の図像表現の定型となりました。


宗教史における受容

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宗教改革時代には、プロテスタントの一部が「ローマ教会=大淫婦」と攻撃に利用しました。これは論争的解釈ですが、マザーハーロットが「堕落した権力の象徴」とみなされる傾向を広めました。


現代文化でのマザーハーロット

ゲームや小説などでも再解釈されています。特に有名なのは『女神転生』シリーズ。
「Mother Harlot」として登場し、七頭十角の獣に騎乗した姿で強力な悪魔キャラクターとして描かれています。


まとめ

ChatGPT-Image-2025年9月19日-22_47_35 マザーハーロットとは?『黙示録』に登場する大淫婦バビロンの正体と現代文化への影響

マザーハーロットは「大淫婦バビロン」として、堕落と権力、神への背信を象徴する存在です。

歴史的にはローマ帝国を指す説が有力ですが、普遍的な寓意として現代にまで語り継がれ、ゲームや小説にも登場しています。

宗教的イメージにとどまらず、人間社会が繰り返す「堕落の構造」を警告する存在として今なお力を持ち続けているといえるでしょう。

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