ワンジナとは?宇宙人説も語られるアボリジニの創造神と壁画の謎
太古の昔、神々が降りてきて人に知恵を与える・・・世界中にある物語ですが、アボリジニの崇拝するワンジナは少し毛色が異なる存在です。
ワンジナ ― 宇宙人のように描かれた創造神
1. ワンジナとは

ワンジナ(Wandjina)は、オーストラリア北西部キンバリー地方のアボリジニに伝わる創造神であり、祖霊の一つです。天地を創造し、雨や稲妻を司る存在として大切に信仰されてきました。特に「雨の守護者」として、旱魃や豊穣に深く関わるとされています。
2. 壁画に描かれる姿
数千年前から岩壁に残されてきたワンジナの壁画には、次のような特徴があります。

- 大きな丸い頭部
- 目や鼻はあるが、口は描かれない
- 頭の周囲に光輪や放射線状の模様
- 白い顔に簡素化された身体
これらの姿は、現代人の目には「宇宙服を着た宇宙人」のように映ることがあります。
3. 口のない理由
アボリジニの伝承では「もし口を描いてしまうと、雨が止まらなくなり洪水を引き起こしてしまう」とされています。そのため、あえて口を描かないことで自然の力を制御する呪術的な意味が込められていました。
4. 宇宙人説と学術的見解

ワンジナは「古代宇宙飛行士説」の文脈で語られることが多く、空から来て人間に知識を授けた存在=宇宙人と結びつけられることがあります。
しかし学術的には、ワンジナは「雨と生命の循環を象徴する祖霊」として解釈されています。宇宙人説は後世のロマンあふれる解釈に過ぎません。
5. 現代に続く信仰
現在でもアボリジニの人々はワンジナを神聖視し、壁画の描き直しを行っています。彼らにとってワンジナは単なる過去の伝説ではなく、今も生き続ける霊的存在なのです。








