忘年会の小話に使える民話5選|日本と世界の“縁起・厄除・とんち”の伝承まとめ
一年の締めくくりである忘年会。
スピーチや乾杯の前に、場を和ませる「ひと言ネタ」があると便利ですが、
下ネタや際どい話は使いづらいものです。
そこで本記事では、
誰が聞いても安心できて、短く話せて、縁起も良い
そんな“小話向けの民話”だけを、日本と世界から5つ厳選して紹介します。
柴犬さんお久しぶりです。
【1】一休さん「屏風の虎」|とんちで切り返す痛快な名作(日本)
■ 民話のあらすじ
室町時代の禅僧・一休宗純は、とんち話の主人公として多く語られています。
その中でも最も有名なのが、この「屏風の虎」です。

ある大名が、一休さんに無理難題を出します。
「この屏風に描かれた虎を縛り上げてみよ。」
すると一休は、さらりとこう返しました。
「ではまず、その虎を屏風から出してください。」
本来存在しない虎を「縛れ」と言う大名のほうが無茶――
その矛盾を一休が見事に突いた、とんち話です。
無茶ぶりする上司に向けてどうぞ。
【2】吉四六(きっちょむ)さん「馬を太らせる方法」|逆転の発想が生む笑い(大分)
■ 民話のあらすじ
大分県に伝わる吉四六(きっちょむ)さんは、とんちと機転で知られた民話の人物です。

ある日、殿様が吉四六に言いました。
「この馬を太らせてほしい。」
吉四六の答えは予想外のものでした。
「では、太るまで食べさせなければ良い。」
殿様が「それでは痩せてしまうではないか!」と怒ると、
吉四六は平然とこう返します。
「だから太るんです。」
理屈のすり替えによる、吉四六らしい独特のとんちオチです。考え方ひとつで、物事は良くも悪くも変わる――そんな吉四六さんの教えです。
【3】七福神の“宝船”|新年の福運を呼ぶ縁起の伝承(日本)
■ 宝船とは?

“宝船”とは、七福神が宝物を積み、航海する姿を描いた絵のこと。
江戸期には、大晦日に宝船の絵を枕の下に入れて寝ると、良い初夢が見られると信じられていました。
七福神の顔ぶれ(恵比寿天・大黒天・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋)は、
商売繁盛・豊穣・学芸・長寿など多様な福徳を象徴しています。
■ 民俗的背景
・江戸の庶民が“初夢売り”から宝船の絵を買う風習があった
・「一富士二鷹三茄子」などの縁起物とも結びつき、福の象徴として広まった
・宝船の裏に「七福神の歌」を書くと悪夢を払うという信仰もある
※怖い話もありますが、今回は縁起物としての話しでした。
【4】蘇民将来の伝承|日本最古級“厄除け”の物語
■ 民話のあらすじ
『備後国風土記』に残る古い伝承です。

旅の途中の武塔神(むとうのかみ)を、
裕福な弟ではなく、貧しい兄の**蘇民将来(そみんしょうらい)**が手厚くもてなしました。
のちに武塔神は蘇民にこう告げます。
「茅の輪(ちのわ)を身につけよ。汝の子孫を、疫病から守る。」
この言葉がのちに
「蘇民将来子孫也」
と記された護符となり、日本各地に広がりました。
■ 民俗的背景
・茅の輪くぐりの原型と考えられる
・疫病除けの護符は現在も全国の神社で見られる
・年末の“お祓い行事”と深く結びつく
良い行いは、時を越えて自分に返ってくる――蘇民将来の伝承が教えてくれます。
【5】年獣ニエン|赤・火・音で追い払う“年越し”の物語(中国)
■ 民話のあらすじ
中国に伝わる「年獣ニエン」の伝承は、春節の起源として有名です。

昔、年末になると“ニエン”という怪物が村に現れ、人々を困らせました。
しかし村人たちは、ニエンが
赤い色・火・大きな音
を恐れることを知り、爆竹や赤い飾りを使って追い払うことに成功します。
■ 民俗的背景
・現在の春節(旧正月)の爆竹や赤い装飾は、ニエン退治の名残
・“悪いものを年末に払い落とす”という考えは日本とも共通
・地域によってニエンの姿や性質に細かい違いもある
駆け足でしたが、いかがでしたか?ふとした無言の時間にでも話してみてくださいね。
使いどころは難しいかもしれないが、話に困ったらだしてもいいかもしれないな。
はい!楽しく過ごせたらいいですよね。











