ベヒモス・リヴァイアサン・ジズとは?聖書に登場する三界の怪物と象徴をわかりやすく解説
旧約聖書やユダヤ教の伝承には、大地・海・天空の領域を象徴する三体の巨大存在が登場します。それが――
ベヒモス(Behemoth) …… 大地
リヴァイアサン(Leviathan) …… 海
ジズ(Ziz) …… 空
これらは三界の怪物体系とも呼ばれ、世界の構造や終末思想の象徴として扱われてきました。
本記事では、三体の特徴と役割、象徴的意味、そして現代文化への影響をわかりやすく比較していきます。
1|ベヒモス ― 大地を象徴する巨獣

ベヒモスは旧約聖書『ヨブ記』に登場する巨大な生き物で、地上の力と安定を象徴する存在です。
ベヒモスの主な特徴
- 極めて巨大な体
- 岩のような皮膚
- 並外れた筋肉と脚力
- 草食(自然の調和の象徴)
- 人間に制御できない存在
聖書では、神がヨブに問いかける形で登場し、
「これは、神が造られた初めのわざのひとつである」
と記されています。
つまり、ベヒモスは自然への畏怖と謙虚さを人間に問いかける存在なのです。
2|リヴァイアサン ― 海の混沌と恐怖
リヴァイアサンは中東文化において非常に強い象徴を持つ海の怪物で、
深海の謎・恐怖・混沌を体現しています。

リヴァイアサンの主な特徴
- 巨大な海蛇または龍の姿
- 鱗に覆われた体
- 火を吐く、光る目など超自然的能力
- 海そのものを支配する存在
古代世界では、海=未知と死の領域とも考えられていました。
リヴァイアサンはその象徴として描かれ、
「神でさえ闘う必要がある存在」
として語られます。7つの大罪の悪魔としてもしられていますね。
3|ジズ ― 天空の王者
ジズはベヒモスやリヴァイアサンほど知名度は高くありませんが、ユダヤ教文献では天空の支配者・神鳥として位置づけられています。

ジズの主な特徴
- 空を覆うほど巨大な翼
- 雷・風・太陽と結びつく存在
- 他の鳥を統べる王
- 光と空の秩序を象徴する存在
ジズが翼を広げると、世界が日食になる――
そんな表現も残っています。
三体の中では、もっとも神聖で崇高な存在として解釈されることが多い神獣です。
4|三体の役割比較

| 存在名 | 領域 | 象徴 | 性質 | イメージ |
|---|---|---|---|---|
| ベヒモス | 大地 | 安定・肉体・自然の力 | 強大だが静的 | 大地に固定された巨獣 |
| リヴァイアサン | 海 | 混沌・恐怖・深淵 | 破壊的・予測不能 | 荒れ狂う龍・海蛇 |
| ジズ | 天空 | 光・秩序・世界の調和 | 崇高・神聖 | 巨大な火の鳥・天使に近い存在 |
三体は敵同士というより、
世界を構成する三つの力=トリニティ構造
として理解されます。
5|終末思想と三体の運命
ユダヤ教伝承では、終末の日――
神が世界を刷新する時、三体は次のように扱われます。
- ベヒモスとリヴァイアサンは神に倒される
- ジズは天空から見届ける、または調和の象徴となる
- その肉は義人たちの祝宴の食事となる
これは単なる物語ではなく、混沌 → 秩序の象徴的儀式 と考えられています。
6|現代作品への影響
三体は多くのゲーム・アニメ・映画に影響を残しています。
- FFシリーズ(召喚獣)
- ダークソウル系ファンタジー設定
- Fate・七つの大罪・ソウルライク世界観
- テーブルトークRPG(D&D)
現代における「陸・海・空の神獣」「属性バランス」の原型とも言えます。
まとめ
ベヒモス・リヴァイアサン・ジズは、
単なる怪物ではなく、
- 世界の構造
- 人間の恐れ
- 自然と信仰
- 終末における希望
といった精神文化の象徴として語り継がれてきました。
彼らの存在を知ることで、
古代の世界観や神話体系、そして現代の創作文化の背景がより深く理解できます。










