柊鰯(ひいらぎいわし)とは?焼いた鰯の臭いで鬼を退ける節分の魔除け【焼嗅がし】
節分といえば豆まき。
でも昔の家には、もう一つ“異様な飾り”がありました。
玄関先に刺さる、
焼いた鰯(いわし)の頭。
その横には、柊(ひいらぎ)の尖った葉。
かわいい節分飾りとは真逆。
むしろ「呪い」みたいな見た目です。
けれど、これこそが古い日本の知恵──
鬼や邪気を家に入れないための魔除け、
**柊鰯(ひいらぎいわし)**です。
柊鰯(ひいらぎいわし)とは?

柊鰯は、節分の時期に玄関や門口へ飾る魔除けです。
基本形はシンプルで、
- 柊の枝
- 焼いた鰯の頭
この2つを組み合わせたもの。
地域によっては「柊鰯」ではなく、
- 焼嗅(やいかがし)
- やっかがし/やいくさし/やきさし
などの名前で呼ばれます。
なぜ鬼は柊鰯を嫌うのか?(結論:臭い+トゲ)
柊鰯の強さは、能力バトルではありません。
ただの「嫌がらせ」です。

① 鰯の頭:焼いた臭いが強烈
鰯を焼くと、脂と煙の臭いが一気に立ちます。
昔の人はこの臭いを
**厄病神や鬼が嫌う“退散の臭気”**と考えました。
② 柊:尖った葉が“目を刺す”
柊の葉には鋭いトゲがあります。

「鬼の目を刺す」
「入ろうとすると痛い」
そう信じられてきた、物理的に納得の魔除け。
そして眼を狙うというピンポイントかつ極限のいやがらせ。流石ご先祖様たちです。
食べ物で魔を祓う

柊鰯は“お札”でも“祈祷”でもありません。
- 臭い
- 煙
- トゲ
- 食材の力
つまり『茸の化け(ナス)』と同じく、
生活の台所から生まれた祓いです。
妖怪に効くのは剣じゃない。
食材でした。
流石ご先祖様たちです!
どこに飾る?(最重要)
飾る場所はほぼ決まっています。
✅ 玄関/門口/軒先
理由は簡単で、そこが「入口」だから。
“入ってくるもの”を止める。
柊鰯は結界の杭みたいな役割なんですね。
いつ飾る?いつまで?
ここは地域差がありますが、一般的には
- 節分当日の夕方〜夜に飾る
- 翌日(立春)に片付ける
が多いようです。
一方で、
- 小正月明け(1/15〜16頃)から飾る地域
- 2月末まで飾る家庭
- 1年飾る地域
などいろんな説・風習があります。
初めてやるなら「節分当日だけ」または「立春まで」
管理が楽でおすすめ。
作り方(超かんたん)

- 鰯を焼く(または頭だけでもOK)
- 焼いた頭を取っておく
- 柊の枝に刺す
- 玄関へ飾る
節分の時期には、スーパーで枝とセットで売られることもあります。
片付け方・処分方法
柊鰯は「魔除け」なので、扱いは丁寧に。
代表的には
- 神社・寺でお焚き上げ
- 自宅で酒や塩で清めてから紙に包んで処分
といった方法が紹介されています。
【怪談的考察】なぜ“臭い”は怪異に効くのか?
怪談世界では、霊や怪異は
- 湿気
- 腐敗
- 闇
- 乱れ
に寄ってくることが多いです。
そこに煙と臭いで、空気を強引に「現実」に戻す。

つまり柊鰯は
異界の気配を、生活の匂いで上書きする
装置だったのかもしれませんね。
人間の暮らしそのものが、怪異にとっての対応策かもしれません。
※邪視は小便が嫌いとかありますよね。
まとめ
柊鰯は、
- 鰯の臭い(嗅覚)
- 柊のトゲ(痛覚)
- 玄関に飾る(境界)
という、生活から生まれた最強の魔除けでした。
お酒やお塩も生活の必需品ですよね。そんな生活に根差したアイテムが魔除けとなる。
なんかステキですね。ビジュアルは怖いですけど・・・。









