なぜ天使の名前に「~エル」が付く?意味・語源をやさしく解説
「ミカエル」「ガブリエル」「ラファエル」「ウリエル」――
有名な天使たちの名前を眺めると、妙に共通点があることに気づきます。
そう、**最後が「~エル」**で終わっている。
ではこの「エル」とは何なのか?
なぜ天使には「~エル」が多いのか?
結論から言うと、これは偶然ではなく、天使という存在の仕組みそのものに関係しています。
この記事では、天使名に多い 「-el(エル)」の意味・語源を、例を交えながらわかりやすく整理します。
さらに、ルシフェルなど悪魔側にも「~エル」が付く理由まで、スッキリ解説します。
結論:「エル(-el)」は“神”を意味する

天使の名前につく「-el(エル)」は、“神”を意味する言葉です。
語源はヘブライ語の「El」。
古代の言語で「神」「神格」を表す、非常に基本的で重要な語でした。
つまり、
「○○ + エル(神)」
という形になっている天使名は、だいたい
「神の○○」
「神は○○」
といった意味になります。
天使の名前は、ただの呼び名というより、役割や性質を示す“称号”に近いものなのです。
なぜ天使の名前に「神」が入るのか

天使は神ではありません。
天使は神に仕える存在であり、神の意志を運ぶ「使者」です。
だからこそ、名前の中に「神の印」が刻まれます。
現代で言えば、名刺に
「○○省」「○○局」
と所属が入っているようなものです。
天使の名の「~エル」は、
「この存在は神の側に属し、神のために働く」
という印になります。
天使の名前が似た形になるのは、彼らの立場そのものが似ているからです。
有名な天使の名前は、意味を知ると一気に面白くなる
「~エル」が付く天使たちの名前には、ちゃんと意味があります。
しかもそれは、かなり性格や役割に直結しています。
ここからは代表的な天使を見てみましょう。
有名天使の「~エル」一覧
先にまとめてしまうと、
| 天使名 | 読み | 意味(ざっくり) | イメージ |
|---|---|---|---|
| Michael | ミカエル | 「誰が神のようであろうか?」 | 神に挑む者を許さない守護 |
| Gabriel | ガブリエル | 「神は我が力」 | 神の言葉を告げる使者 |
| Raphael | ラファエル | 「神は癒す」 | 癒し・治療・導き |
| Uriel | ウリエル | 「神は光(炎)」 | 知恵・啓示・照らす存在 |
このようになります。こうみると、天使が急に“生きた存在”に見えてきませんか?
では、各天使をご紹介します。
ミカエル:「誰が神のようであろうか?」

ミカエル(Michael)は、天使の中でも特に有名です。
多くの伝承で「戦う守護者」として描かれます。
そしてこのミカエルの名前の意味は、とても象徴的です。
「誰が神のようであろうか?」
これは「神に匹敵する者などいない」という宣言です。
つまりミカエルは、傲慢さを断つための天使です。
自分こそ正しい
自分こそ偉い
自分なら神を超えられる
そんな危うい心が生まれたとき、
ミカエルの名は「それでも神を超えることはできない」と静かに叩きつけます。
ミカエルが“戦う天使”とされるのは、単に強いからではありません。
人間の内側にある傲慢さや混乱に対して、神の秩序を守る存在だからです。
ガブリエル:「神は我が力」

ガブリエル(Gabriel)は、よく「告知の天使」と呼ばれます。
神の重要な知らせを人間に伝える役目を持つ天使です。
しかし、名前の意味を見ると、それは単なる“伝令”ではないことがわかります。
「神は我が力」
ガブリエルは、「神の力」が世界に届くときの入り口のような存在です。
神の計画が動くとき、最初に降りるのは武力ではなく言葉です。
人は言葉によって運命を受け取ります。
ガブリエルは、その「言葉の力」を象徴する天使なのです。
ラファエル:「神は癒す」

ラファエル(Raphael)の意味は、非常にわかりやすいです。
「神は癒す」
ラファエルは、癒し・治療・導きの天使として知られます。
戦う天使が人類を守るなら、
癒す天使は、人類の弱さを支える。
病、怪我、悲しみ、迷い――
そうした苦しみのそばにいる存在として、ラファエルは語られてきました。
天使というと壮大な奇跡を思い浮かべがちですが、
「癒し」というテーマは日常に近く、多くの人が心を寄せやすい領域です。
だからこそ、ラファエルは昔から愛される天使の一人になっています。
ウリエル:「神は光」

ウリエル(Uriel)は「光」や「炎」を意味するとされます。
「神は光」
あるいは「神の炎」
この“光”は、優しいだけのものではありません。
光が当たれば、隠していたものが見えてしまう。
見たくない真実も、照らされる。
つまりウリエルは、
「真実を照らす」
「啓示をもたらす」
という性質を持った天使です。
暗闇を破る光は希望である一方で、
時には裁きにもなり得る。
ウリエルが知恵や黙示録的なイメージと結びつきやすいのは、
この性質によるものです。
重要:天使だけではなく、悪魔側にも「~エル」が付く

ここで、必ず出てくる疑問があります。
「ルシフェル」
「サマエル」
「アザゼル」
彼らもまた「~エル」が付いています。
では、悪魔なのに“神の印”が入っていていいのでしょうか?
実はこれには理由があります。
伝承の世界では、
「堕天する前は天使だった」
「神の側に属していた存在だった」
という扱いの者が多いのです。
名前だけ見れば、彼らは確かに“神の物語の中にいる存在”です。
だから神の名を含む名前を持っていても不思議ではありません。
ここが面白いところで、
「~エルが付く = 善」
とは限らないのです。
むしろ
「神に属していたからこそ、そこから外れたときの物語が生まれた」
とも言えます。
「-el」と「-iel」の違いは?
天使名には「-iel(イエル)」のような形も見られます。
例えばサリエルなどです。
この違いは地域や音の変化によるもので、
大きく言えばどちらも同じ系列と考えてよいでしょう。
「-el」
「-iel」
どちらも「神(El)」に由来する語が含まれている、という点が重要です。
まとめ:「~エル」は神の印であり、天使の使命の刻印

天使の名前に多い「~エル(-el)」は、ヘブライ語の「神」を意味します。
天使は神そのものではなく、神の意志を運ぶ存在です。
だからこそ、名前に「神の名」が刻まれます。
そして多くの天使名は、
「神の○○」
「神は○○」
という形で、その使命や性格を表しています。
さらに興味深いのは、悪魔側にも「~エル」が付く名があることです。
それは彼らが、神の物語の中で生まれた存在であり、堕天の文脈を持つからです。
天使の名前を知ることは、単に意味を知ることではありません。
そこには、天の秩序と物語の骨格が刻まれています。
だからこそ――
天使の名は、美しく、そして少しだけ恐ろしいのです。










