日本神話7:オオクニヌシと八十神の激闘WITH柴犬:オオクニヌシが乗り越えた嫉妬と試練の物語
舞台は八岐大蛇を討伐した後の世界。広大な地上の世界には、八十柱(やそはしら)の神々が存在していました。
嫉妬に満ちた兄弟たちとの争い
広大な地上の世界には、八十柱(やそはしら)の神々が存在していました。
その中に、末弟として生まれたのがオオクニヌシ(大国主命)でした。兄たちである八十神たちは、強力な力を持つオオクニヌシに嫉妬し、彼の存在を疎ましく思っていました。
「このままでは、オオクニヌシが我々を凌駕してしまう。」
兄たちは彼を排除するため、あらゆる策略を巡らせます。
一方、オオクニヌシは純粋で優しい性格の持ち主でした。その優しさは時に危うさでもありました。
八十柱は彼の純粋さに付け入ることにしました。
兄弟たちの策略
ある日、八十神たちはオオクニヌシを呼び出し、こう命じました。
「山の中にいる巨大な赤い猪を捕らえてこい。それができればお前を認めてやろう。」
オオクニヌシは純粋にその命令を受け入れ、山へ向かいました。
しかし、それは罠でした。八十神たちは赤い猪に見せかけた焼けた石を転がし、オオクニヌシを潰そうとしたのです。突然、山の斜面から大きな焼けた赤い石が落下、オオクニヌシに直撃しました。オオクニヌシは致命傷を負い命を落としてしまいました・・・。
母神の助け
オオクニヌシの母神は、息子の悲惨な姿を目の当たりにし、涙ながらに助けを求めます。
「どうか息子を救ってください!」
母神の嘆きは神々に届き、**カムムスビ(神産巣日神)**という神が現れます。カムムスビはオオクニヌシの傷を癒し、彼に再び命を与えました。
「オオクニヌシよ、これからは慎重に生きなさい。兄たちの嫉妬は、さらなる試練をもたらすだろう。」
母神はカムムスビに感謝しました。
そしてオオクニヌシと母神は静かな森の中で語り合いました。
母神:
「あなたは何度も命を狙われた。それはあなたが特別な力を持つ証でもあるのです。出雲の地へ行きなさい。そこにはあなたを助ける者たちが待っているでしょう。そして、新しい未来を切り開きなさい。」
オオクニヌシ:
「母上、私にその力があるのでしょうか?」
母神:
「あります。あなたの優しさと調和の力が、それを証明しています。」
彼は母神の言葉を胸に抱き、自身の夢を見つめます。
さらなる試練
命を取り戻したオオクニヌシに、兄たちは次なる罠を仕掛けます。
今度は毒蛇やムカデが巣食う洞窟に送り込むのです。
しかし、オオクニヌシは生き物たちと心を通わせ、害を受けることなく洞窟を抜け出します。
その優しさが彼を守り、自然との調和を得る力となったのです。
出雲の国へと向かう決意
繰り返される迫害に耐えながら、オオクニヌシは次第に自らの力を信じるようになります。
成長を遂げたオオクニヌシは、母神の助言を胸に出雲に旅たつ決意をしました。
「私には、この地上を治める使命があるはずだ。兄たちに邪魔されても、私はその道を進む。」
その道中、運命の出会いが彼を待ち受けていました。それは、スサノオの娘との因縁を結ぶ物語の始まりでもあります。
それはまた別の機会に・・・。