日本神話12:ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメ:愛と試練の神話WITH柴犬
この話は天孫降臨の後の話しだ。少しだけハジけた話しなので、ツッコミを入れながら読んでくれると嬉しい・・・
コノハナサクヤヒメとの恋
天孫降臨を果たしたニニギノミコトは、地上での新しい生活を始めていました。ある日、彼が海辺を歩いていると、美しい女性と出会います。その名はコノハナサクヤヒメ(木花咲耶姫)。
彼女の美しさは桜の花が満開に咲き誇るようで、ニニギノミコトは一目で恋に落ちました。
「私の妻になってくれませんか?」
ニニギノミコトの申し出に、コノハナサクヤヒメは頷きましたが、父であるオオヤマツミに結婚の許しを得る必要がありました。
試練と結婚
コノハナサクヤヒメの父、オオヤマツミはこの縁談を喜び、さらに姉であるイワナガヒメ(石長姫)も一緒に嫁がせようとします。しかし、ニニギノミコトはイワナガヒメの容姿を気に入りませんでした。そのため、コノハナサクヤヒメだけを妻として迎え入れます。
怒ったオオヤマツミは、ニニギノミコトに告げます。
「イワナガヒメを拒んだことで、お前の子孫は寿命が限られるだろう。イワナガヒメは岩のように永遠の命を象徴していたのだから。」
※これにより、ニニギノミコトの子孫である人間は、命の限りを持つ存在となったと言われています。
疑惑と試練
結婚後、コノハナサクヤヒメはすぐに妊娠しました。しかし、ニニギノミコトは「本当に私の子供なのか」と疑念を抱きます。悲しんだコノハナサクヤヒメは、自らの清らかさを証明するために大きな試練を課します。
彼女は出産の際、産屋(うぶや)に火を放ち、その中で子供を無事に産むことで、子供がニニギノミコトの子であることを示しました。この試練を乗り越え、二人は真実の愛を確かめ合いました。
コノハナサクヤヒメは、ニニギノミコトとの間に三人の子供をもうけました。その一人が山の神であるホデリノミコトで、彼の子孫が日本列島の統治者として歴史に名を刻んでいきます。
彼らの物語は、愛、試練、そして家族の絆を象徴しています。桜の花のように儚くも美しい愛の物語として、今も語り継がれています。
いきなりの求婚と、義父との亀裂、そして自分の子供かどうかを疑うなど、なかなかハジケている話しだったので、少し補足をしておこうか・・・
何故オオヤマツミはイワナガヒメも嫁がせようとしたのか?
基本、神は一夫多妻制です。なので珍しい話しではありませんでした。ここで神話的な意味を付け加えると・・・
オオヤマツミがイワナガヒメとコノハナサクヤヒメの両方を嫁がせようとしたのは、永遠と美しさの両立を願ったからです。イワナガヒメによって永遠の命を、コノハナサクヤヒメによって繁栄と美しさを、ニニギノミコトとその子孫に授けようとしたのです。
好みの問題なので仕方がないですね。
なぜ自分の子共かどうか疑ったのか!?
ここが結構ひどいですよね。じつは理由も語られているのです。
コノハナサクヤヒメはニニギノミコトと結婚して間もなく、すぐに妊娠しました。この急速な妊娠は、ニニギノミコトにとって驚きであり、「本当に自分の子供なのか?」という疑念を抱かせたとされています。
つまり・・・「え!?早くない?本当に俺の子??」ということですね。ここだけ聞くと最低ですねw
コノハナサクヤヒメがものすごい美人だったのも理由みたいですが、言っていい事と悪い事が・・・。
イワナガヒメのその後は?
一部の伝承では、イワナガヒメは拒絶された後、深い悲しみを抱えながらも、岩のように不変の存在として地上に留まったと言われています。
- 孤高の存在: 自身の運命を受け入れつつも、永遠の命を象徴する神格として人間を見守り続けたとされています。
- 山や岩の守護神: 彼女は山々や岩を守り、その安定性や力を人々に授ける役割を担ったとされています。
イワナガヒメは、日本神話において「不変性」や「永遠」を象徴する重要な存在であり、その象徴的な役割は神話の中だけでなく、後世の信仰や文化にも深く根付いています。彼女のその後は明確には語られていませんが、象徴としての影響は現在でも続いていると言えるでしょう。
この辺りは鬼灯の冷徹で紹介されてましたねw