ぬらりひょんとは?家主のように振る舞う妖怪の正体と伝承を解説

ぬらりひょん――誰にも止められない“ぬるっと”侵入者

「ぬらりひょん」という妖怪の名前を聞いたことはありますか?
まるで軟体動物のような名のこの存在は、どこか人を食ったような振る舞いで知られています。

今回は、日本各地に伝わる“ぬらりひょん”の正体と、その不思議な魅力をたっぷりとご紹介します。


■ 1. ぬらりひょんとは?

ぬらりひょんは、「勝手に他人の家に上がり込み、家主のようにお茶を飲んでくつろいでいる」とされる妖怪です。

ChatGPT-Image-2025年8月6日-02_25_23-1024x683 ぬらりひょんとは?家主のように振る舞う妖怪の正体と伝承を解説

誰にも気づかれずに家に入るその姿は、まさに“ぬるり”とした不気味さを持ち、追い出そうとしても、なぜか誰も止められない――そんな不可思議さが語られてきました。


■ 2. 地方伝承に見るぬらりひょん

この妖怪には明確な起源や一つの伝承があるわけではなく、いくつかの地域で似たような存在として伝えられています。

  • 岡山県:ぬらりひょんは「ぬらぬらした海坊主」として描かれ、波間に現れては人々を惑わせる存在とされる。
  • 静岡県:姿をくらます謎の侵入者として語られ、影のようにぬらりと現れては消える存在。

どこも共通するのは、“正体不明でぬるぬるした”侵入者ということです。


■ 3. 「妖怪の総大将」としてのイメージ

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ぬらりひょんが「妖怪のリーダー」として一般に知られるようになったのは、昭和以降、水木しげる先生の作品『ゲゲゲの鬼太郎』による影響が大きいでしょう。

作品中では、ぬらりひょんは妖怪たちの知恵者にして、策略家の総大将として描かれました。
その風格ある姿は、もはや“ただの侵入者”ではなく、“妖怪界の長老”的な存在感を放っています。


■ 4. ぬらりひょんの現代的な意味合い

近年では、「ぬらりひょん」は現代的な皮肉のこもった比喩としても使われています。

  • 職場に突然現れ、肩書きだけで権限をふるう人
  • 空気を読まずに会議に参加し、なぜか話をまとめてしまう人
  • 家に突然来て、勝手にリモコンを握っている親戚のおじさん

そんな「追い出せないけど居座る」ような人物を、冗談交じりに「ぬらりひょんみたい」と呼ぶこともあるのです。


■ 5. まとめ:ぬらりひょんはなぜ怖いのか?

ぬらりひょんは、恐ろしい妖術や暴力をふるうわけではありません。
ただそこに現れて、あたかも当然のようにその場を支配してしまう――この“存在の違和感”こそが、ぬらりひょんの本当の恐ろしさなのかもしれません。

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