ピノッキオ(ピノキオ)原作あらすじ|ディズニーとは違う残酷で教訓的な物語
「ピノキオ」と聞くと、ディズニー映画の愛らしい木の人形を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、原作『ピノッキオの冒険』(1883年刊)は、教育的で時に残酷なエピソードに満ちた物語です。
本記事では、カルロ・コッローディによる原作のあらすじと代表的なエピソードを紹介し、ディズニー版との違いにも触れていきます。
作者と作品の背景
『ピノッキオの冒険(Le avventure di Pinocchio)』の作者は、イタリアの作家カルロ・コッローディ。
1881年に児童雑誌に連載され、1883年に単行本として出版されました。
当初は短い話で終わる予定でしたが、子どもたちからの人気により長編へと発展しました。
原作の主なエピソード
1. 木の人形の誕生

大工のジェペットが削った木片から生まれたピノッキオ。
作られた瞬間から勝手に動き、ジェペットの髭を引っ張って逃げ出すなど、最初からやんちゃそのものです。
2. コオロギとの衝突

「話すコオロギ(グリッロ・パルランテ)」が登場し、ピノッキオに説教します。
しかし反抗したピノッキオは、金槌でコオロギを叩き殺してしまうという衝撃的な展開に。く・・・狂ってる!!
(ディズニー版のジミニー・クリケットは、このコオロギを元にした温厚な相棒キャラです。)
3. 首吊りの刑

ずる賢い「猫と狐」に騙され、金貨を奪われそうになったピノッキオは木に吊るされます。
当初の連載版ではここで物語が終わり、ピノッキオは死亡する結末だったのです。
それはあまりにも・・・
人気の高まりで物語は続編が追加され、命を取り留めることになりました。
4. 嘘をつくと鼻が伸びる

もっとも有名なエピソード。
ピノッキオが嘘をつくと鼻がみるみる伸びていき、身動きが取れなくなります。
「正直に生きることの大切さ」を強調する寓話的シーンです。
5. ロバに変身

学校をサボり遊びに耽ったピノッキオは、耳が伸び、やがてロバに変身してしまいます。
サーカスに売られて酷使され、ついには海へ投げ捨てられるという過酷な運命に。
6. サメに飲み込まれる

父ジェペットを探して海に出たピノッキオは、巨大なサメに飲み込まれます。
その腹の中でジェペットと再会。二人は知恵を絞り、サメの体内から脱出します。
7. 本物の人間になる

数々の試練を経て、勤勉さと善行を学んだピノッキオ。
妖精の力によって、ついに「本物の少年」へと変わるのです。
ディズニー版との違い
- コオロギ → 原作では死亡するが、ディズニーでは頼れる相棒ジミニーに。
- 雰囲気 → 原作は厳しい道徳寓話、ディズニーは希望と冒険に満ちたファンタジー。
- 残酷さ → 原作は首吊りやロバ化などショッキングな描写が多い。
まとめ
原作『ピノッキオの冒険』は、現代の感覚では残酷に映る場面が多くあります。
しかし、それは「子どもに正しい道を教えるための強烈な教訓」として描かれたものでした。
ディズニー映画で広く知られる「ピノキオ」とは別に、原作「ピノッキオ」の物語を知ると、この作品が持つ奥深さと当時の教育観が見えてきます。








