【驚きの事実】ブレーメンの音楽隊は音楽隊になっていない?ブレーメンにすら到達していないッ!?原作と現代版の違いを解説
「ブレーメンの音楽隊」といえば、
老いた ロバ・犬・猫・ニワトリ が旅をして音楽隊になる物語――。
そう思っていませんか?
しかし、グリム童話の原作では、彼らは音楽隊になりません。
さらに言うと、ブレーメンにすら到着しません。
この事実は、読んだことがある人でも意外と知られていません。
今日は原作と現代版の違い、物語の本当のテーマ、改変され続けた理由を紐解きます。
物語のあらすじ(原作)
ブレーメンの音楽隊は、以下の動物たちが登場します。
- 老いたロバ
- 役に立たなくなった犬
- 主に厄介扱いされる猫
- 食べられそうになったニワトリ

彼らは行き場をなくし、
「ブレーメンへ行って音楽隊になろう!」
と希望を語りながら旅に出ます。
もうこの時点で辛いですね・・・
道中で彼らは泥棒の家を見つけ、
協力して泥棒たちを追い払うことに成功します。
そして――

その家が気に入り、そこに住むことを決めます。
ブレーメンには行かない。
音楽隊にもならない。
原作はそこで幕を閉じます。
■ なぜ現代では“音楽隊になる話”になったのか?
理由は大きく3つあります。
① 子ども向けに“夢のある結末”へ改変された
グリム童話原作は暗く現実的な物語が多く、
教育版では**「努力すれば夢が叶う」「仲間と夢を追う」**という現代倫理に寄せて編集されました。
② 「ブレーメン」という都市名が象徴化した
ブレーメン市は後年、この物語を観光資源として採用。
像や施設が作られ、**“夢を叶えた動物たち”**という解釈が広まりました。
③ 悲しい背景(虐待・捨てられる設定)が薄められた
原作には殺処分が示唆される描写があります。
この部分が削られ、優しい雰囲気に書き換えられたことで、
「夢の冒険物語」という印象が強まったのです。
■ 原作のテーマ
この物語が語りたいメッセージは、現代版とは少し違います。
それは――
「もう役に立たない」と言われても、
人(動物)は新しい居場所を見つけられる。

夢を叶える物語ではなく、
“居場所を奪われた者が、新しい人生を見つける話”。
だからこそ、最後に家を見つけた時点で、
旅は終わるのです。
■ 現代の私たちへの余韻
老いても、役割を失っても、
一緒に歩む仲間がいれば、人生は続いていく。

それは、
- 仕事を引退した人
- 居場所を見失った誰か
- 今を変えたい大人
そういう人の心に静かに響きます。
■まとめ
| 要素 | 原作 | 現代解釈 |
|---|---|---|
| 結末 | 音楽隊にならない/ブレーメンにも行かない | 音楽家として成功する(と描かれることが多い) |
| テーマ | 居場所を失った者の再生 | 夢・友情・希望 |
| 調整理由 | 社会背景が重い・残酷描写 | 子ども向け教育書に向け調整 |





