大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

── 大人になって読み返すと見えてくる、優しくて残酷な寓話

『オズの魔法使い』と聞くと、多くの人は「子ども向けの明るいファンタジー」という印象を持っているかもしれません。

ところが、大人になって内容を思い出したり、改めて読み返したりすると、こんな感想が浮かびます。

「……これ、結構理不尽じゃない?」

実はその違和感、かなり正しいのです。

ざっくりあらすじ

物物語の主人公は、カンザスに住む少女ドロシー。
ある日、突然起きた竜巻に巻き込まれ、家ごと空へ飛ばされてしまいます。

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_14_25-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

気がつくとドロシーは、不思議な国「オズ」にいました。
そして彼女が降り立ったその場所で、思いがけない出来事が起こります。

ドロシーの家は、東の魔女の上に落下し、彼女は命を落とします。
その結果、ドロシーは本人の意思とは無関係に、
魔女の力の源である「銀(または赤)の靴」を引き継ぐことになるのです。

この出来事をきっかけに、
東の魔女の姉である 「西の魔女」 は、
靴を取り戻すためドロシーを執拗に追うようになります。

元の世界に帰りたいドロシーは、
「エメラルドの都にいるオズの大魔法使いなら願いを叶えてくれる」
と教えられ、旅に出ることを決意します。

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_14_50-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

その道中で彼女は、

  • 脳が欲しいと願う「かかし」
  • 心が欲しいと願う「ブリキ男」
  • 勇気が欲しいと願う「ライオン」

と出会い、仲間と共に黄色いレンガの道を進みます。

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_15_11-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

やがてエメラルドの都に辿り着いた一行に対し、
オズの大魔法使いが出した条件は、

「西の悪い魔女を倒してくること」

こうしてドロシーたちは、
自分たちを追ってくる魔女を討伐するという、
極めて皮肉な使命を背負わされることになるのです。


理不尽ポイント①

魔法使いが、全然すごくない

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_17_39-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

長い旅の末に辿り着いたオズの正体は、

  • 派手な演出で自分を大きく見せていただけ
  • 実は普通のおじさん
  • 魔法は使えない

という、見事なハリボテ。

「偉大なる存在」と信じて必死に頼った相手が、
実は中身のない権威だった──
ここでまず、大きな肩透かしを食らいます。


理不尽ポイント②

クエスト内容がブラックすぎる

オズが願いを叶える条件として出した指示は、

「西の悪い魔女を倒してこい」

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_19_56-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

冷静に考えると、

  • 子どもに討伐任務を押し付ける
  • 自分は一切動かない
  • 失敗しても責任は取らない
  • 魔法使いではない普通のおじさんの無茶ぶり

今の感覚で見ると、かなり無責任です。

「権威者が、安全な場所から無茶な仕事を命じる」
この構図、どこか現代社会にも見覚えがありませんか。


理不尽ポイント③

そもそも、全部最初から持っていた

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_22_25-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体

物語最大の理不尽ポイントはここです。

  • かかしは、最初からちゃんと考えて行動していた
  • ブリキ男は、誰よりも思いやりがあった
  • ライオンは、何度も仲間を守る勇気を見せていた

そしてドロシーも、
帰るための力は最初から「靴」に備わっていました。

つまり結論は、

「あなたたち、最初から全部持っていました」

……それ、早く言ってほしかった。

OVA作品「ジャイアントロボ 地球が静止する日」を彷彿とさせます。
「あんまりじゃないですかぁ・・・お父さん!なんで言ってくれなかったんですかぁ!!」


なぜ、こんな物語なのか

『オズの魔法使い』は、
達成感やカタルシスを重視した物語ではありません。

これは教訓型の寓話です。

伝えたいメッセージは一貫しています。

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_47_31-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体
  • 権威や肩書きは、必ずしも中身を保証しない
  • 自分に足りないと思っているものは、すでに持っていることが多い
  • 外に「答え」を求めすぎると、振り回される

だからこそ、

  • 努力の報酬があっさりしている
  • 成長が「能力の獲得」ではなく「自覚」に留まる
  • 読後にスッキリしない

この構造が、
大人が読むと「理不尽」に感じられる理由です。


大人になって読むと、むしろ怖い

この物語を少し視点をずらして見ると、

ChatGPT-Image-2025年12月19日-18_52_43-1024x683 大人になると怖い『オズの魔法使い』理不尽すぎる物語の正体
  • 国家
  • 宗教
  • 教育
  • 指導者
  • 成功者の言葉

そういったものへの批評としても読めます。

「偉そうに見える存在ほど、実は空っぽかもしれない」
「答えは外ではなく、自分の中にある」

子ども向けの物語の顔をしながら、
かなり辛辣なメッセージを含んでいるのです。


おわりに

『オズの魔法使い』は、

  • 優しい物語です
  • でも、甘い物語ではありません

だからこそ、大人になった今読むと、
少し苦く、少し理不尽で、妙に現実的に感じられます。

そしてその違和感こそが、
この物語が長く読み継がれてきた理由なのかもしれません。

You May Have Missed

Translate »