ブーケトスの由来|実は「逃げるため」だった結婚式の驚きの起源
結婚式のクライマックスで行われる「ブーケトス」。
花嫁が背中越しに投げたブーケを、未婚の女性たちが笑顔で受け取る——
その光景は、どこか幸せで、ロマンチックに見えます。
けれど、この風習の起源をたどると・・・
そこにあったのは「優雅な儀式」ではありませんでした。
中世ヨーロッパ、花嫁は“狙われていた”

ブーケトスの起源は、
中世ヨーロッパ にさかのぼります。
当時、人々はこう信じていました。
「結婚式の花嫁に触れると、その幸運が分けてもらえる」
特に花嫁のドレスや装飾は、
“幸せそのもの”を宿していると考えられていたのです。
幸せを求める人々が、花嫁に群がった

この信仰はやがて、思わぬ事態を生みます。
式が終わると、人々は花嫁に近づき——
ドレスの裾や飾りを、奪うように引きちぎるようになったのです。
- 布の一部を持ち帰れば幸せになれる
- 花嫁に触れれば結婚運が上がる
そんな考えから、
花嫁は“祝福される存在”でありながら、同時に“追われる存在”でもありました。
そこで生まれた「逃げるためのブーケ」
この状況から逃れるために、花嫁は考えます。
自分に集中している視線と欲望を、別のものへ向ける方法を。
——そうして生まれたのが、ブーケを投げるという行為でした。

花束を空へ放り投げると、
人々の関心は一斉にそちらへ移ります。
その隙に、花嫁はその場を離れる。
つまり、ブーケトスとはもともと
花嫁が安全に逃げるための行動
だったのです。
ロマンチックな意味は後からつけられた
現代では、ブーケトスはこう言われています。
- 受け取った人は次に結婚できる
- 幸せのおすそ分け
- 恋愛運アップの象徴
しかし、これは後の時代に整えられた解釈です。
もともとの意味はむしろ逆で、
「花嫁が身を守るための知恵」
という、かなり現実的な理由から生まれた風習でした。
それでも、この風習が残った理由
ではなぜ、そんな背景を持つブーケトスが
現代まで残り続けたのでしょうか。
それはおそらく——
人は「幸せを分け合う物語」のほうを、選びたくなるからです。
本当は逃げるためだった行為も、
時代が進むにつれて意味が塗り替えられ、
やがて「祝福の象徴」へと変わっていった。
おわりに

ブーケトスは、ただの演出ではありません。
そこには、
- 幸せを求める人々の欲望
- 花嫁を守るための工夫
- そして後から紡がれたロマン
——そうした、人の歴史が重なっています。
次にブーケが宙を舞う瞬間、
その背景にあった“もう一つの意味”を、少しだけ思い出してみてください。





