アメリカが他国の大統領を拘束――世界はどんな局面に立たされたのか【昔話で読む国際ニュース】
はじめに ―― いま何が起きたのか(前提の整理)
2026年1月3日(現地報道ベース)、世界をざわつかせる出来事が起きました。
アメリカ合衆国 が、
ベネズエラ の
現職大統領である ニコラス・マドゥロ を拘束し、
アメリカ国内へ連行した、と発表したのです。
アメリカ側の説明は、こうでした。
- マドゥロ大統領は重い犯罪に関与している
- アメリカの裁判所ですでに起訴されている
- これは「戦争」ではなく「法の執行」である
一方で、世界の多くの国や専門家は、強い疑問を投げかけました。
- 他国の現職大統領を、力で拘束してよいのか
- 国の同意も、国連の決定もないまま実行してよいのか
- これは「正義」なのか、それとも「力ずく」なのか
ここで大切なのは、
マドゥロ大統領が善人か悪人か、という話ではありません。
問題は、もっと根っこの部分です。
「強い国は、よその国の王を捕まえてもいいのか」
この問いが、
いまの世界に突きつけられています。
ここから、むかし話のように考えてみる
この出来事を、
難しい国際ニュースのまま読むと、
どうしても遠い話に感じてしまいます。
そこで少し、
むかし話の世界に置き換えて考えてみましょう。

むかしむかし――
たくさんの国が集まって暮らす世界がありました。
そこでは、
「お互いの国には勝手に手を出さない」
という約束がありました。
王がどんな王であっても、
裁くのは、その国の人々。
この約束があるからこそ、
世界は何とか保たれていたのです。
ところがある日、それは突然くずれたのです。
王を縛った国
ある大国が、
別の国の「王さま」を捕まえ、
遠い国へ連れて行きました。
「この王は悪いことをした」
「だから捕まえて裁くのだ」
大国はそう言いました。
王は、王であっても捕まえていいのか?

この物語の王は、
ニコラス・マドゥロ
国は、ベネズエラ。
捕まえた側は、
アメリカ合衆国。
ここで、昔から続く「世界の約束」があります。
「王は、王の国の中で裁かれる」
これは「王は偉いから無罪」という意味ではありません。
「外の国が、勝手に手を出さない」という約束です。
この約束があるから、
世界はなんとか“ケンカだらけ”にならずに済んでいました。
でも昔から、約束は破られてきた
実はこの約束、
これまでにも何度か破られています。
① 侵攻して、王を引きずり出した話
むかし、パナマという国で、
アメリカが軍隊を送り、実質的な支配者を捕まえたことがありました。
「悪いことをしていたから」という理由です。
当時も、
- それは正義か?
- ただの力ずくではないか?
と、世界は揉めました。
② 怪物退治の物語
もっと有名なのは、
オサマ・ビンラディン氏 の話です。
テロの親玉として、
「怪物」として語られ、
他国の領土で殺されました。
この時、世界はある程度こう考えました。
「怪物退治なら仕方ない」
でも、ここで大きな違いがあります。
- ビンラディンは「国の王」ではなかった
- 世界の多くが「危険な存在」だと合意していた
今回は、ここが違う

今回捕まったのは、
- 現職の王
- まだ国を治めている人物
- 世界が一つに合意していない存在
つまり、
「悪い王だから捕まえていい」
という判断を、
一国が勝手に決めた、という形です。
規模を小さくして例えるなら
村がたくさんある世界で、
ある強い村が言いました。
「あの村の村長は悪者だ」
「だから、うちで裁く」
もしこれが通るなら、どうなるでしょう。
- 強い村は、気に入らない村長を捕まえられる
- 弱い村は、反論できない
- みんなが疑心暗鬼になる
やがて村同士は、
「約束」ではなく「力」で動き始めます。
世界はいま、どんな局面に立っているのか
一言で言えば、
「ルールが壊れ始めた、静かな時代」
です。
- いきなり戦争が始まるわけではない
- でも「やってはいけないこと」の線が薄くなった
これが一番怖いのです。
では、日本はどうなるのか
日本 は、
この物語の中で「すぐ殴られる村」ではありません。
でも、日本の近くには、
- 中国
- 台湾
という、緊張をはらんだ場所があります。
もし世界が、
「力のある国が正義を決めていい」
という空気になれば、
- 「治安のため」
- 「内政の問題」
- 「国内法の適用」
という言葉は、
とても便利な言い訳になります。
一般人は、何を学べばいいのか

ここで大切なのは、
恐怖ではありません。
覚えておいてほしいことは、たった一つ
戦争は、突然ドンと来ない
まず、約束が壊れる
約束が壊れ、
- 物価が上がり
- 情報が荒れ
- 不安が増え
そのずっと後に、
本当に大きな出来事が来ます。
昔話の教訓として
昔話の最後には、
必ず教訓があります。
今回の教訓は、こうです。
「強い者が約束を破ると、
いちばん困るのは、何もしていない人たち」
だからこそ、
- 煽られすぎず
- 無関心にもならず
- 「おかしいな」と感じる感覚を持つ
それが、
この時代を生きる一般人にとっての、
いちばん賢い知恵です。










