【怪談】フライング・ダッチマンの正体とは?霧の海に現れる呪われた幽霊船の実話と伝説
幽霊船・・・現代ではありえないといわれそうですが、今でもイギリスの船乗りたちが注意を払う恐怖の存在が語り継がれています。
それは、幽霊船 フライング・ダッチマンです。
今回は仲の良い「祖父と孫娘」にご案内してもらいましょう。
あるところに仲がいい祖父と孫娘がいました。怖がりだけど、怖い話が大好きな少女「モニカ」と、その祖父「ジョセフ」です。祖父はたくさんの怖い話を知っていました。
「お願い、おじいちゃん、何か怖い話しして!」
「いいよ~。これは実際に語り継がれている話しなんだが・・・」

夜霧の中の幽霊船 ~フライング・ダッチマン~
それは、ある古い航海日誌に記された話。
――1881年、イギリス海軍の艦隊が、南アフリカ沖・ケープ・ホーンの海を進んでいました。
嵐の前の静けさ。
船員たちは、濃霧に包まれた海原のなかで、緊張の面持ちでした。
午前4時――
船首の見張りが、震える声で叫びました。
「……正面に……船が、います!」

誰もが目を凝らしました。
霧の中、そこには……古びた帆船が、逆風をものともせずに進んでいたのです。
黒ずんだ帆。
ボロボロのマスト。
甲板に、誰か立っているようにも見えましたが……顔は、わからない。
いや、**顔が“なかった”**のかもしれません。

その船がこちらに向かってくるとき、海軍の船は急にバランスを崩し、
――見張りが、転落してしまいました。
彼は二度と、戻ってきませんでした。
その後、日誌にはこう記されています。
「あれは“フライング・ダッチマン”だったのかもしれない。
見た者には、不幸が訪れるという、呪われた船――
本当に、海の底で魂を運び続けているのだろうか…」
それからというもの、航海士たちのあいだでは、ひとつの掟ができました。
「夜霧の中、もし海に浮かぶ船が見えたら、決して目を合わせるな。
もしその船が風に逆らって動いていたなら――それはもう、生きた船ではない。」
今でも、海を愛する者たちは時おり…ふと、夜の海に目をやります。
そして、小さくつぶやくのです。
「どうか…出会いませんように」

「ううううーーー!聞かなきゃよかった!!」
「まだあるぞー」
「~~~!?ま、また今度で!!ありがと!」
◆ 出典
- 英国海軍航海日誌(1881年、HMS Bacchante)
- BBC文化特集『The Mystery of the Flying Dutchman』
- 『海の怪異譚集』(著:D.カミングス)