1561年ニュルンベルク上空に出現した謎の飛行物体とは?空中戦事件の実録と考察
1561年 ニュルンベルク空中戦事件
~中世ドイツに現れた空飛ぶ物体たちの記録~
1561年4月14日、ドイツ南部の都市ニュルンベルクの上空で、数百人の市民が目撃する奇怪な空中現象が発生しました。
それはただの光でも幻でもなく、**「複数の飛行物体が空中で戦っていた」**という、現代でいえばまさに「UFOのドッグファイト(空中戦)」と形容されるような出来事でした。
◆ 出典:公式に記録された木版画

この事件は、当時の印刷メディアである**ブロードシート(瓦版)にて報道されました。
作成したのは、ニュルンベルクの印刷業者でありアーティストでもあったハンス・グリュンベルガー(Hans Glaser)**です。
木版画の内容
- 上空に無数の円形、円柱形、十字形の物体が描かれている
- 中には黒い槍のような物体も見られ、煙を出している
- 地表には人々が驚愕し、空を見上げる姿が描かれている
- 「激しい戦闘の末、多くが地上に墜落し、煙を上げた」と解説されている
実物資料
- ドイツ国立図書館、チューリッヒ中央図書館などに現存
- タイトル:“Wunderzeichen über Nürnberg im Jahr 1561”
◆ 事件の概要:空に現れた「物体の群れ」

発生日:
- 1561年4月14日、早朝(5~6時頃)
目撃された物体:
- 赤、青、黒の球体
- 槍のように長い円柱型物体
- 十字型の物体
- 黒い三日月
- そして最後には「巨大な黒い槍状の物体が全体を貫いた」と記録
目撃者の反応:
- 多くの市民が**「天からの神罰」**と恐れた
- 一部では「終末の前触れ」と解釈された
◆ 現代的な解釈:UFOか自然現象か?
UFO関連説
- 飛行物体の形状・戦闘・墜落という要素が揃っており、UFO研究家の間では**「中世のUFO事件」**として注目
- 目撃が群衆によってなされ、版画付きで記録されている点も信憑性を高める
自然現象説
- 幻日(サン・ドッグ)やハロといった気象現象が誇張されたのでは?という説
- ただし「戦い」「煙」「墜落」は自然現象では説明困難
宗教的・寓話的な解釈
- 神罰や戒めを伝えるための象徴的記述とする説もある(ただし、この説では具体的な形状描写の理由が説明不足)
◆ まとめ:空を舞った謎の戦い、その正体は…

この事件が真に何であったのかは、現代の我々には確定できません。
しかし、「当時の人々が恐怖し、詳細に絵で記録した空の異変」があったことは確かです。
現代のUFO研究においても、この1561年のニュルンベルク空中戦は、**「史上最古級の集団UFO目撃事件」**として貴重な資料とされています。
📚 参考文献・資料
- Hans Glaser, Wunderzeichen über Nürnberg(1561年)
- Carl Jung, Flying Saucers: A Modern Myth of Things Seen in the Skies
- ドイツ国立図書館・Zentralbibliothek Zürich所蔵資料