陰摩羅鬼(オンモラキ)とは?日本の妖怪・死者の霊が鳥になる伝承を解説!

オンモラキ(陰摩羅鬼, Onmoraki) は、日本の妖怪の一種で、特に江戸時代の妖怪図鑑などに記録されている存在です。

「死者の霊魂が変化して鳥の姿になった妖怪」 とされ、その見た目や伝承には幽霊や悪霊と関連する特徴が見られます。

オンモラキの特徴

  1. 死者の霊から生まれる妖怪
    • オンモラキは、葬儀の際に供養が不十分だった死者の霊が変化した妖怪とされる。
    • 供養されなかった怨念が積もることで、夜になると姿を現す。
  2. 巨大な鳥の姿
    • オンモラキは、夜になると現れる巨大な鳥の姿をしている
    • その体は黒々としており、目は炎のように赤く燃え、異様な光を放つ
  3. 耳障りな鳴き声
    • オンモラキは、「オンモラキ、オンモラキ」と鳴くと言われている。
    • この鳴き声はとても耳障りで、聞く者を恐怖に陥れるとされる。
  4. 人を驚かせる
    • 夜中、寺や墓地、暗い道に突然現れ、人々を驚かせたり、眠れなくしたりする
    • 直接的に害を与える妖怪ではない。
    • 不吉な前兆として恐れられた

オンモラキの起源と伝承

オンモラキの伝承は、江戸時代の妖怪図鑑『画図百鬼夜行(鳥山石燕, 1776年)』に記載されています。
この書物では、オンモラキは「人間の罪が具現化した妖怪」としても解釈されています。仏教的な因果応報の思想と関連していると考えられています。

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また、仏教の経典にも似たような記述があります。

そこでは「人の罪業が鳥の姿になって現れる」とされています。

このことから、オンモラキは死者の怨念や、未供養の霊が鳥の姿を借りて現れる存在と考えられています。


オンモラキと似た妖怪・伝承

妖怪名特徴関連する伝承
オンモラキ(陰摩羅鬼)死者の霊が変化した鳥、夜に現れる画図百鬼夜行(江戸時代)
烏天狗カラスの姿をした妖怪、修験道の守護者日本の山岳信仰
夜行さん夜に飛び回る妖怪、音を立てて驚かす近畿地方の伝承

オンモラキは、妖怪の中でも**「死と霊魂」に深く関わる存在**です。

そのため、主に寺や墓地の怪異として語り継がれています。


オンモラキの現代文化への影響

  1. 『真・女神転生』シリーズ
    • ゲーム『真・女神転生』では、オンモラキは悪魔(妖怪)として登場
    • 黒い鳥の姿で、炎のような目を持ち、不気味な鳴き声を発するデザインになっている。
  2. アニメ・漫画
    • 妖怪を題材にした作品では、オンモラキを元にしたキャラクターが登場することがある。
    • 直接的な登場は少ないものの、夜に現れる鳥の妖怪というモチーフはよく使われる。
  3. 妖怪図鑑・資料
    • 近年の妖怪研究や図鑑にもオンモラキが紹介され、江戸時代の妖怪としての位置づけが再評価されている。

オンモラキのまとめ

  • オンモラキ(陰摩羅鬼)は、死者の霊が変化した巨大な鳥の妖怪。
  • 供養が足りなかった霊が、怨念と共に具現化すると言われる。
  • 目が燃えるように光り、不吉な「オンモラキ」と鳴く。
  • 直接の危害はないが、眠れなくさせたり、恐怖を与える存在。
  • 江戸時代の『画図百鬼夜行』に記録され、仏教の因果応報の思想とも関連がある。
  • 現代のゲームや妖怪図鑑にも登場し、伝承が受け継がれている。

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